第1ユニット比較思想学会との共催シンポジウムを開催いたしました
第1ユニット比較思想学会との共催シンポジウムを開催いたしました
2015年6月13日、東洋大学白山キャンパス8号館7階125記念ホールにて、比較思想学会との共催によるシンポジウム「近代東アジアにおける西洋哲学の受容と展開」が開催された。司会は竹村牧男研究員(IRCP)が務め、韓国語通訳を佐藤厚客員研究員(専修大学)が務めた。
基調講演は、中島隆博氏(東京大学)による「近代東アジアにおける西洋哲学の受容と展開」であった。中国、日本、韓国におけるキリスト教受容を手引きに、トランス東アジア的な経験を明らかにしようとするものであった。
次いで、パネルディスカッションが行われた。最初の発表は、井上克人氏(関西大学)による「近代日本における西洋哲学の受容と展開」である。井上哲次郎、井上円了、清沢満之、三宅雪嶺、大西祝などに触れながら、明治期の西洋哲学受容と日本哲学の形成の状況を明らかにした。次いで、王青氏(中国社会科学院)の「近代中国における西洋哲学の受容と展開」と題された発表が行われた。啓蒙思想の受容、日本経由での西洋哲学の受容、マルクス主義思想の中国化などの論点で中国における状況が明らかにされた。最後に、金鍾旭氏(東国大学校)が「近代韓国における西洋哲学の受容と展開」を論じた。19世紀後半から現代までの韓国における哲学の歴史を概観し、その問題点を明らかにすると共に新たな展望への提言を行った。
西洋哲学の受容の問題を通して、日中韓の思想の共通性と個別性の両面を明らかにすると共に、東アジア思想の可能性を明らかにしたことがこのシンポジウムの大きな成果であった。