第3ユニット第2回瞑想シンポジウム「精神性に与える瞑想の効果」

第3ユニット第2回瞑想シンポジウム「精神性に与える瞑想の効果」を開催

2015年10月3日、東洋大学白山キャンパス2号館スカイホールにて、第3ユニットは、第2回瞑想シンポジウム「精神性に与える瞑想の効果」を開催した（第1回シンポジウムの詳細は『国際哲学研究』別冊6（2015年刊行）を参照）。渡辺章悟研究員（東洋大学文学部）による開催趣旨説明のあと、3名の発表者が発表を行った。

羽矢辰夫氏（青森公立大学）は、「瞑想の目的とその効用」と題し、ゴータマ・ブッダは苦しみを解決するために瞑想したのであって、ある特定の境地を得るために瞑想したのではないこと、さまざまな効用のある瞑想の活用の仕方はわれわれの側の問題であること、などを指摘した。K.プラポンサック氏（龍谷大学非常勤講師）は、「タイ仏教の瞑想法―心の曇りを晴らし、本来の内なる光を取り戻す―」と題し、初期仏教からはじまる、上座仏教において伝わる瞑想法、そして現代、タイで行なわれている瞑想法を紹介し、その後、実際に10分ほど実践瞑想を行なった。永澤哲氏（京都文教大学）は、「21世紀の瞑想の脳科学と自己変容のパラダイム」と題し、瞑想に関する最新の研究成果とその現代世界における意義について論じるとともに、チベット仏教における「トゥクタム」と仏舎利の実例を通じて、科学の限界を指摘した。

総合討論では、瞑想の効果や、瞑想を集団で行うことの意義などについて参加者から熱心な質問があり、シンポジストが丁寧に応答した。60名ほどの参加者がある盛会となった。