第三章 デフレ沼に沈む国

(推敲中)

デフレ沼の底に沈み行く不況の国「シュセンドー」。しかし意外な事に、この国は「世界一の金持ち国」だった。カネを使わずひたすら貯め込んで、世界一カネをたくさん持っているが、人々は豊かさを実感していない。それでも、カネにひたすらしがみつく人々。そんなある日、通貨暴落でおカネが紙屑に。おカネを貯め込む事で将来の生活を夢見た人々の悲劇。

■デフレ病に侵される人々

「ふんふんふ~ん」

「サルよ、やけに上機嫌ではないか。鼻歌など歌って、お前らしくもない。」

「何言ってんですかご主人様、私だって若者のはしくれですからね、歌くらい歌うんですよ。」

「は?お前、たしか岩の中に500年間も閉じ込められてたんじゃないのか。実はとんでもない爺だろ。」

「いえいえ、岩と言っても、閉じ込められるたびに年齢が18歳にリセットされる魔法の岩なんです。」

「ウソつけ!そんな変なもの、ドラエモンだって持ってないぞ。そんなら俺が閉じ込められたいくらいだ。」

「あれ、ご主人様、なんか気持ちのわるいジメジメした場所にきましたね、なんです、ここは?」

「デフレ沼だ」

「デ、デフレ沼ですか。でも、私たちは国から国へ旅してるはずですよね、なんで底なし沼なんかに用がある・・・・やや、沼の中に半分沈みかけた建物が・・・・あっちにも、こっちにも。なんと、国全体が底なし沼に沈んでいるんですね!」

「そうだ、やっと気が付いたか。ここは物価が15年以上も継続的に下がり続けている、世界でもここにしかないという極めて特殊なデフレ国「シュセンドー」だ。普通はどこの国もインフレだが、この国だけは違う。国全体の経済も人口も底なし沼に沈んでゆき、やがて世界から消えてなくなる運命の国なのだ。」

「うへ~、なんて無気力な。そういえば、よくみると建物を追われた失業者が、住む場所もなく沼地をさまよってますね。それに、建物はあっても、老朽化がすすんでます。トンネルも崩落してます。でも、なぜ物価が下がり続けるデフレになると、経済が衰退するんですか?」

説明

通貨循環量の低下 デフレスパイラル

宿 デフレ病に侵された主人の主張

失業者は怠け者・自己責任 仕事ならある 物価が下がって何が悪い

カネがないんだから生活保護を減らせ 福祉はやめろ

高齢化が進んだからデフレはあたりまえ 心の時代だからデフレ

他人の不幸など関係ない エゴが支配する社会に

(第二節)

ごくうがデフレ病に罹患 医者が説明する デフレ菌 蚊が媒体 蚊の名前はマスコミ

症状 カネをひたすら貯める 金融賭博に興じる 増えたカネを握り締め安心したまま沼に沈んで溺死

なんという哀れ、まさに悲劇 その人々の行動を描く

精神の老化 意欲の退廃がごくうにあらわれる

デフレ病のごくうをどうやって助ける?

岩にとじこめ、18才にリセットする 三蔵にも勧めるが「立場が逆転する」と断る

(第三節)デフレによる国家破局の姿

人々がインフレに敏感なわけ デフレに鈍感なわけ 病気はマダラ状に現れる 気づいた時は手遅れ

生産力の減退と赤字国への転落 通貨暴落で紙幣は紙くず 襲う貧困化

通貨の価値はモノすなわち生産力で担保される

それを忘れてカネの力にすがった「シュセンドー」は崩壊した。

そしてすべて沼の底へ沈んでしまった「シュセンドー」の街を後にする。

「安らかに水底に沈んでいった、彼らは幸せだったんでしょうか」