書籍紹介

「最強のベーシックインカム」

 AIとロボットが働く時代のおカネのシステム

 著者:駒田 朗(こまだ あきら)

 媒体:単行本(ソフトカバー)

書籍「最強のベーシックインカム」:Amazon ストア

<こんな方にお勧めします>

・将来の年金や社会保障に不安を感じている方へ・・・ 新しい社会保障の方法をご提案します

・年収が低くて生活が苦しいと感じている方へ・・・ 貧困のない社会をご提案します

・AIやロボットに仕事を奪われると心配の方へ・・・ 失業の心配がなくなる制度をご提案します

・自分の夢に向かって打ち込みたい方へ・・・ 夢を諦めない社会をご提案します

・自由が保証された社会にしたい方へ・・・ その方法をご提案します。

<目次より一部を抜粋>

第一章 政府は今すぐおカネをばらまこう

・国民がおカネをもらえるワケ

おカネを配って景気回復しよう

インフレでも生活は困らない

・人工知能とロボットが仕事を奪う時代

10~20年後に仕事の半分がなくなる?

日本は人手不足じゃないのか?

・ベーシックインカムに増税は必要か?

原則=より多く作れば豊かになる

貯蓄ではなく循環が社会保障を維持する

・ベーシックインカムのサブタイプ

第二章 「生活のための労働」の終焉

・通用しないこれまでの常識

働けば働くほど賃金は下がる

企業の生産性を高めても賃金は増えない

最低賃金を上げるほど格差が広がる

・おカネを配ると社会がダメになるは本当か

働く人が減って経済が衰退する?

介護職の担う人がいなくなる?

働いている人が損をする?

人間が堕落して進歩しなくなる?

第三章 ベーシックインカムで問題解決

・ベーシックインカムのメリット

チャレンジングで明るい社会

経済の劇的な回復と安定化

生産性の向上と所得の向上

資源の効率的利用

子供の貧困対策と人口増加

地方経済と農業の活性化

犯罪や自殺の発生率低下

社会保障制度の効率化と充実

・グローバリズムや構造改革への対症療法

第四章 おカネに縛られない自由な社会

・ベーシックインカムの基本思想

ユートピアとしての未来社会

持続可能なベーシックインカム

・未来はディストピアになるのか?

・すぐ始められる月1万円からのベーシックインカム

<本稿より「はじめに」の部分を転載>

はじめに

 「すべての国民におカネを配りましょう」と聞くと、皆様はきっと驚かれるでしょうし、なかには眉をひそめて怪訝な表情を浮かべる方も居られるのではないでしょうか。つい数年前までは、私もそうした1人でした。しかし近年における驚くべきテクノロジーの進化を目の当たりにして、自分の中で何かが大きく変わり始めました。ディープラーニングという新しい手法を取り入れた人工知能が数年前に登場するや、それは瞬く間に進化し、世界トップレベルの囲碁棋士に競り勝ち、医学分野では人間に匹敵する画像診断能力を獲得し、無人で自動車をコントロールし、人間と対話するロボットも登場してきました。また自動化技術も格段の進歩を遂げつつあり、完全自動生産工場が登場し、レジのいらないコンビニエンス・ストアも実用化されつつあります。人間の労働力を必要としない社会が現実のモノになりつつあります。

 これはもしかすると、テクノロジーが世界を本気で変えるかも知れない。

 その先に待つのはユートピアなのかディストピアなのか。翻ってみれば今日、サブプライムローンバブルの崩壊に端を発した10年余りに及ぶ長い世界同時不況の時代から徐々に回復しつつあるとはいえ、慢性的な貯蓄の過剰と投資の不足を原因とする経済の長期停滞現象が完全に解消したと判断すべき状況ではなく、世界経済も日本経済もまだまだ安心ではありません。この景気回復は、どちらかと言えばアメリカや日本の株価の上昇に示されるように、再び資産バブルが膨張し始めたことによる一時的な好景気に過ぎない可能性もあるからです。もちろんこのまま何事も無く景気が順調に回復し、永遠に安定した経済が続けば良いのですが、歴史を見る限り世界経済は常にバブルとバブル崩壊を繰り返して来ました。その度に多くの人がバブル崩壊に伴うデフレ不況で仕事を失い、働く人の間でも所得格差が拡大し、多くの人々に不幸をもたらした一方で、今や世界で生み出される富の80%以上を世界トップ1%の富裕層が独占しているといわれています。そして性懲りも無く再び膨張をはじめた資産バブルが次なる崩壊の序章を奏で始めました。世界経済はまた同じ過ちの歴史を繰り返すのか?しかし、ここに来て急速に台頭してきた人工知能やロボット技術の進化、そして人間の労働力を必要としない社会の予兆・・・。

 これはもしかすると、テクノロジーで今日の不毛な世界経済を変えるチャンスかも知れない。

 そんなの短絡的な直感に過ぎない。そう思われるかも知れません。しかし本当にそうでしょうか。この本をお読みいだただければ、今日の常識とは異なる、テクノロジーが進化した未来の経済システムをイメージしていただけるかも知れません。それは今日の社会に山積された多くの矛盾、社会問題を解決するための糸口となる可能性を秘めています。テクノロジーの進化がもたらす果実を正しく社会に還元できるなら、少子高齢化を乗り越えて未来の子供達のために豊かな社会を実現できるはずだと確信しています。

 本書はベーシックインカムと呼ばれる制度、すなわち「すべての国民に分け隔てなくおカネを支給する制度」を中心に話を進めますが、これまでベーシックインカムあるいは経済の仕組みについてあまり考えた事がない方にも馴染み易いよう、登場人物による会話形式の少し砕けた感じの本にしてみました。素敵なイラストも付けていただけましたので、どうぞ最後までお目通し下さいますようお願い申し上げます。