建学の理念


◆建学の精神◆

「諸学の基礎は哲学にあり」「独立自活」「知徳兼全」

 

◆東洋大学の教育理念◆

自分の哲学を持つ

多様な価値観を学習し理解するとともに、自己の哲学(人生観・世界観)を持つ人間を育成する。

本質に迫って深く考える

先入観や偏見にとらわれず、物事の本質に迫る仕方で、論理的・体系的に深く考える人間を育成する。

主体的に社会の課題に取り組む

社会の課題に自主的・主体的に取組み、よき人間関係を築いていける人間を育成する。

 

◆東洋大学の心◆

他社のために自己を磨く

自分を磨くのは、人々のためにはたらくことができるようになるためであり、そのことを自覚して学業に励むのが東洋大学の心である。

活動の中で奮闘する

現実社会における活動の中にどこまでも前進してやまないのが、東洋大学の心である。

 

◆創立者 井上円了と東洋大学◆

東洋大学は、1887(明治20)年、哲学者・井上円了が創立した「私立哲学館」によってその歴史が始まりました。円了は幕末の1858(安政5)年、越後国三島郡浦村(現在の新潟県長岡市浦)のお寺の長男として生まれ、1881(明治14)年、設立間もない東京大学文学部哲学科にただひとりの1年生として入学しました。勉学を通して、「洋の東西を問わず、真理は哲学にあり」と確信します。ここでいう哲学とは、「万物の原理を探り、その原理を定める学問」であり、それは概念的、演釋的な哲学ではなく、事実と実証に基づく哲学であるという点が強調されました。哲学することによって、日本人の心、ものの見方・考え方の近代化を目指したのです。

円了は創立前に「哲学はあらゆる事物の原理を定める学問であります。政治、法律はもとより科学や芸術まで、その根底には哲学がなくてはなりません」と述べています。この考えから1887(明治20)年「私立哲学館」という哲学専修の私立学校を創立しました。これが現在の東洋大学の前身にあたります。

円了が教育で目指した哲学は、いわゆる「哲学者」の養成ではなく、思想や精神を錬磨する術(すべ)であり、他に応用する能力も身につけなければならないものであると説いています。

教育の機会の開放を願い、円了は、哲学館の設立趣旨の一つに「余資なく、優暇なき者」でも誰でも学問が学べることを掲げています。そうしたことから、学校開設の翌年から『哲学館講義録』を発行して、通学できない者にも勉学の機会を与えました。

さらに、円了は30歳代から、生涯続けることになる全国巡回講演を始めています。特に、学校経営の現場を離れた1906(明治39)年からの13年間で、全国60市、2196町村において5291回の講演を行うなど、「社会教育」に力を入れました。日本に、新しい教育の扉を開こうとした円了の情熱が伺えます。この心を引き継いで現在の東洋大学では「開かれた大学」を目指し、講師派遣事業や公開講演会など、地域のみならず全国の人々に生涯学習の場を提供しています。