第2章のコメント・疑問

第2章 トヨタ生産方式の展開 (P.33)

●「なぜ」を五回繰り返す事ができるか (P.33)

P.33 「なぜなぜ5回」第44回名古屋アジャイル勉強会でも取りあげました。 (You&I)

P.35「事実をいちばん重視している」事実とデータは違う?(kaku_kaku)

→ここでは、問題を解決するには、データをみるよりも現地現物により解決しましょうという流れでしょう。

●ムダの徹底的分析 (P.36)

P.36 「ムダの徹底的排除」要約すると以下のような説明でしょうか。 (You&I)

    1. 能率の向上は、原価低減に結びついているか

    2. 局所最適ではなく全体最適となるものか。

この部分以外で全体最適についての話題は見当たりませんでした。TPSからリーン生産のValue Stream Mappingにどう繋がったのかは気になりました。 (You&I)

P.38 「7つのムダ」本書では在庫のムダが特に協調されているようですね。 (You&I)

    1. つくりすぎのムダ

    2. 手待ちのムダ

    3. 運搬のムダ

    4. 加工のムダ

    5. 在庫のムダ

    6. 動作のムダ

    7. 不良をつくるムダ

●私の現場主義 (P.39)

P.39 「現場主義者」現地現物の一環ですね。 (You&I)

P.40 「アンドン」ラインの異常を「見える化」するもの。ソフトウェア開発でもCI(継続的インテグレーション)サーバーでエラーを通知するXFD(eXtreme Feedback Device)等がありますね。ただこのようなデバイスに限らず、異常を通知したり見える化する仕組みに繋がると。 (You&I)

●自らの手で標準作業を書いてみよ! (P.41)

P.42 「トヨタ自工の標準作業表」 (You&I)

    1. サイクルタイム:タクトとも言う。一つあたりの作業時間。稼働時間を1日辺りの必要数で割って算出。

    2. 作業順序:文字通りの加工作業の手順。ものの流れではない。

    3. 標準手持ち:作業を行う上で必要となる仕掛品の事。 ※手待ちではない

P.44 「工程の進む逆の順序で作業する場合には、おのおのの工程間に一個ずつ(二個付けの場合は二個ずつ)の手持ちが必要となる」この部分はよく分かりませんでした。 (You&I)

    • これはあくまで一人で多工程を実施する(多能工)が前提ですね。例えば一人で「卵を冷蔵庫から出す」→「卵を割る」→「卵をかき混ぜる」→「卵を焼く」と工程をループするなら工程間在庫は要りませんが、逆順でやろうとすると要る、という話だと思います。(takagiko)

●チーム・ワークこそすべて (P.44)

P.46 「チーム・ワークとか、その他いろいろの理由がからむと、かえって小人数の方が勝つ場合が出てくる」アジャイル開発やScrumでも10名程度が推奨されていますね。 (You&I)

●バトン・タッチの妙 (P.47)

p.48 「私どもの生産現場ではリレーのバトン・タッチ式」 これを自動車の開発プロセスに応用すると「サイマルテニアスエンジニアリング」になるのだと思います。 (takagiko)

(参考:http://e2a.jp/interview/080206.shtml

●スーパーマーケットからヒント (P.49)

P.49 「「かんばん方式」はアメリカのスーパーマーケットからヒントを得た」初耳でした。カートで必要なもののみをかき集める事や商品補充がヒントになっていると。P.51に解説があります。 (You&I)

P.51 「スーパーマーケットから得られたヒント」かんばん方式の元になったもの。 (You&I)

●「かんばん」とは何か (P.52)

P.54 「早く出来すぎた部品の整理」場所の整理等に時間を割く事がムダであると。 (You&I)

P.54「ジャストに意味がある」(kaku_kaku)

●生兵法は大けがのもと (P.54)

P.55 「「かんばん」は「ジャスト・イン・タイム」を達成するための手段、かつそれを目的としている」かんばんの意義の説明。アジャイル界隈ではちょっと違う解釈がされているように思いますね。 (You&I)

●逆常識を常識化する才気と胆力 (P.57)

P.58 「自己流の大野式」TPSの目指す所は、自分達のやり方を作り上げる事。その一歩として名前付けというのもあります。 (You&I)

P.60 「外注部品の納入にはじめて手を付けたのは昭和三十八年」社内で20年間ジャストインタイムを実践してからというのもスゴイ話ですね。それだけの期間会社として続けて来られたけども、さらなる発展の為にサプライヤーも巻き込む事になったのでしょうか。 (You&I)

●「流れをつくる」のが基礎条件 (P.61)

P.61 「トヨタ生産方式というのは「つくり方」であり、「かんばん方式」というのは「管理の方式」」トヨタでの定義。 (You&I)

P.61 「流れるようにつくるやり方を自分ものにしておかないと」土台がないとダメだという事ですね。 (You&I)

P.62 「「かんばん」は「ジャスト・イン・タイム」を実現するための道具」定義が重要。 (You&I)

P.63 「実地に見てもらいながら」社内でも外注と同じ一通りの工程を持っているのですね。 (You&I)

●権限を活用してハッパをかける (P.64)

●山を低く谷を浅く (P.67)

P.68 「トヨタ自工の完成車組立ラインの生産の山を低くし谷を浅くするのが、トヨタ生産方式の「生産の平準化」」この説明では平準の意味は普通の説明ですね。 (You&I)

P.68 「多品種少量生産というきわめて日本的な風土から発想」日本市場では多品種が求められている?自動車だと、カラー以外に内装なども色々ありそうですが。 (You&I)

●「平準化」に挑む (P.69)

P.69 「一つのラインではコロナとカリーナが交互に流れている」これが平準化の説明なのですが、どうしてこのやり方が良いのか難しいですね。飲食店でコンスタントに注文を捌くイメージでしょうか。 (You&I)

    • トヨタ生産方式 (生産管理 理論と実践)」のp11-12を見るのがいちばん早いかと思いますので、引用します。 (takagiko)

      • 『3車種に対する生産要求量から1台当りで,車種aに対する作業が60秒,車種bに対する作業が45秒,車種cに対する作業が30秒とすると,理想的なサイクルタイムは50秒(=(60x3+45x2+30x1)/6) となる。この場合,従来の段取り回数を減らす(大ロットで生産する)ことに重点をおいて生産する従来方式なら,図1.2のように車種aを連続して製造する必要があるとき,このサイクルタイムと製造時間との差10秒に対処してaを製造し続けることが難しいことは明らかである。したがってa,b,cを図1.3のようにバランスよく製造することが,サイクルタイムを50秒に保つために必要となる。』

●「平準化」と「多様化」 (P.72)

P.72 「一般的にいえば、この市場の「多様化」と生産の「平準化」とが最初から調和していけるはずがない」ですよねー。 (You&I)

●改善を促進する「かんばん」 (P.74)

P.74 「「かんばん」の使い方の第一と第二のルール」P.55~56の事ですね。 (You&I)

P.74 「100パーセントの良品でなければならない」第4章の予防の話とちょっと相容れない気もしますね。 (You&I)

    • 不良を(検査によって)摘出する=治療、不良をそもそも出さない=予防、という話だと思います。(takagiko)

P.74「不良品を出した工程が痛みを感じるシステム」バグを出したら痛みを感じるシステムは作るべきか(kaku_kaku)

P.75 「作業方法や作業時間に"ムダ" "ムラ" "ムリ"が生ずる」これを如何に解消するか。 (You&I)

●台車とコンビを組む「かんばん」 (P.76)

●「かんばん」の弾力性 (P.78)

●企業体に自律神経を (P.81)

P.81 「自律神経とは、現場の自主判断機能」アジャイルでは自己組織化ですね。 (You&I)

P.82 「アクロバットをやる人間の骨はぐにゃぐにゃだろうと思うとけっしてそうではない。」ここでも土台の話。しっかりした土台のものに改善は行われる。 (You&I)

●必要なときに必要な情報を (P.84)

P.84 「コンピュータ・マインド」大野耐一さんのコンピューター嫌い?な側面が垣間見れますね。コンピューターの導入は必要最小限にすると。過剰な情報に振り回されるというのはありますけども。最近では情報過多を前提に如何にフィルタリングするか。というのが一般的でしょうか。 (You&I)

●トヨタ式情報システム (P.86)

p.87 「最終組み立てラインのあたまに、1ヶ所だけ送ってやればよい。ここがトヨタ式情報システムの大きな特徴である。」 自律化の真骨頂ですね。米国的なMRPとは相容れないところで、SAPも最初はこういう機能はなかったのですが、結局「かんばん」機能を追加しました。ただ、当然その「自律化」 「変化への対応」をコンピュータ主導でやってしまおうという考え方も出てきまして、半導体ではMESと呼ばれるそれの活用度の違いが日本の半導体凋落に繋がったという研究があります。(takagiko)

    • 『MESは、SAPをはじめとするERPなどの計画系ソフトウェアとは異なり、逐次修正を旨とする実行のソフトウエアです。今や製造現場だけでなく、病院、原子力発電所などの複雑なシステムを要する所にも導入されつつあります。日本の半導体メーカーの競争力が衰えたのは90 年代のことですが、その時代にもMES は導入されていました。しかし、海外メーカーとはそれを活かす思想に差があったのです。』(http://www.rieti.go.jp/jp/publications/rd/003.html)

●微調整のはたらき (P.90)

P.91 「ものごとを、決めたとおり、なにがなんでも動かしてしまうという考え方は、たとえていえば、統制経済・計画経済のやることである」冷戦時代な言い回しですね。 (You&I)

●変化への対応 (P.92)

P.92 「変化への対応」アジャイルマニフェストにも使われている言葉ですね。 (You&I)

●真の経済性とは何か (P.93)

●再びムダの悪を問う (P.97)

P.97 「製造現場におけるムダとは「原価のみを高める」生産の諸要素」アジャイルでは顧客にとって価値の無い作業の事ですね。 (You&I)

●”余力”を生み出せ (P.100)

●「認識」することの意味 (P.101)

P.102 「現場作業を「認識」する」現地現物の考え。アジャイル開発の導入でも今のやり方を分析しない事には改善には繋がらないと思います。 (You&I)

●フルワーク・システムで武装 (P.104)

P.105 「つくり過ぎのムダ」P.54でも出てきた話ですね。 (You&I)

●虚勢は張らない (P.107)

P.107 「タクト」P.42でも出てきました。 (You&I)

P.107 「稼働率(かどうりつ)」と「可動率(べきどうりつ)」 (You&I)

    • 稼働率:フル稼働した時に対する、現在の生産実績。(クラウドサービスの可動率等)

    • 可動率:動かしたい時にいつでも動く状態だった比率。機械メンテナンスの話。(可動率=停止故障なしの実稼動回数/顧客要求稼動回数×100%)

●「必要数」こそオールマイティ (P.110)

●兎と亀 (P.112)

●年功の設備を大切に (P.114)

●現実を直視すれば (P.117)

●0.1人でも一人である (P.120)

●忍術の経営 (P.123)

●「術」には行動が必要 (P.126)

P.127 「「技術」も同様に行動が要求される」考えなしに行動するのはダメですけどね。現地現物で現場の声を元に全体最適をもたらすような行動を行うと。 (You&I)

●「もうけるIE」の提唱 (P.127)

●低成長経済に生き抜く (P.130)

P.131 「低成長」昭和53年(1978年)頃に書かれた本書籍では、二度の高度経済成長期を経て第一次オイルショックが終わった辺りですね。この後の経済面の出来事をまとめてみました。 (You&I)

    • 1979年:第二次オイルショック

    • 1985年:プラザ合意:変動為替相場制へ

    • 1986年:バブル景気

    • 1991年:バブル経済崩壊

    • 1997年:アジア通貨危機

    • 2006年:トヨタ自動車の売上台数が世界一になる:詳細は第4章で

    • 2007年:リーマン・ショック

    • 2011年:東日本大震災、タイ大洪水