第1章のコメント・疑問

豊田マネージメント研究所の高木様よりコメントを頂きました。(青字が高木様のコメントです。)

まえがき (P.i)

P.i 「トヨタ生産方式」本書を読んで、なぜトヨタのサイトで「自働化」と「ジャストインタイム」の2つが挙げられているか理解できました。 (You&I)

P.i TPSは多品種少量生産の制約から生まれた。大量生産に対抗するもの。あらゆるムダを徹底的に排除することによって生産効率を上げるもの。(山本)

P.i 「他社、特に先進国に簡単に分からないように」元々はTPSは公開するつもりのなかった独自のやり方だったという事でしょうか。 (You&I)

本書に寄せて (P.v)

P.vi 「形式としての「かんばん」や個々の現象にとらわれず、その基本となっている理念と発想を理解する事が第一に重要」その通りですね。 (You&I)

第1章 ニーズからの出発 (P.3)

●オイル・ショックで目が覚めた (P.3)

p.5「アメリカ式の量産方式をいたずらにまねていたのでは危険」先見の明が素晴らしい(kaku_kaku)

p.5 「多種少量で安く作る。これは日本人でなければできないことではないか」 その割には、アジャイルとかリーン開発という概念は米国発のような。(takagiko)

→皆さんそう思われているようですね。(高木様)

●「低成長」は恐い (P.5)

P7 大量生産ありきの方式は低成長時代には通用しない。あらゆる種類のムダを生み出している。(山本)

●「アメリカに追いつけ」 (P.7)

●トヨタ生産方式の二本柱 (P.9)

P9 TPSの基本思想は「徹底したムダの排除」。それを貫く二本の柱が「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」。

P9 ジャスト・イン・タイムは必要なとき必要なだけ生産し、在庫をゼロに近づける。(山本)

P.10 「生産現場の計画は、変更されるためにあるようなものである」生産に限らずの話ですね。 (You&I)

→ それに対し、どれだけ当初の計画を遵守するかという指標も重視しているのが、日産の「順序遵守生産」。(takagiko)

→トヨタでは、変動対応力を持ちなさいと言われます。リアルタイムに管理して計画が売れとがずれていることがわかればすぐに対応できる能力のことですね。本質は、人間と言うのは、何事についても途中で変わるというのは嫌なものである。せっかく段取りしたことがすべてムダになる。しかし、そこにこだわっていると在庫を持ち、経営が悪化する。従って、計画通りに物事が行くように改善するのだが、そうでないときにどういう気持ちで望むべきかを問うています。(高木様)

●脱常識をはたらかす (P.11)

P11 後工程が前工程に、必要なものを、必要なとき、必要なだけ引き取りに行く、それを伝える「かんばん」

P12 管理工数も極度に減少させることができる(山本)

P.12 「「かんばん」方式は、トヨタ生産方式をスムーズに動かす手段」トヨタがやりたかった事はジャストインタイムと自働化の実現であった。かんばんがやりたかった訳ではない。 (You&I)

→そうですね。かんばんは、JITの異常を明からにする(自働化)ための道具と言えます。(高木様)

●機械に人間の知恵を授ける (P.14)

P.14 「ニンベンの付いた「自働化」」なかなか人に説明するのが難しい。 (You&I)

→ 情報処理試験に出てくるレベルの用語「フェイルセーフ」でほぼ説明できるような気もしますが・・・(takagiko)

P.15 「「ニンベンのある自働機械」の意味は、トヨタでは、「自動停止装置付きの機械」を言う」成る程。不具合が見つかったら自動で停止する。人に止められるまで動き続けない。 (You&I)

P.15 「バカヨケ」不具合を防ぐための装置や機構。不具合が発生しても、それ以上に不具合を発生させない意味合いもありそうですね。 (You&I)

→ 同じくこれも情報処理試験に出てくるレベルの用語「フールプルーフ」でほぼ説明できるような。(takagiko)

P.16 「発展させて、略、作業者自身がストップボタンを押してラインを止めるようにした」今日のライン生産では当たり前な機構ですね。そして異常を知らせるアンドンがあると。 (You&I)

●個人技とチーム・プレーの相乗効果 (P.16)

P.16 「ジャストインタイム」はチームプレー。「自働化」は個人技をそれぞれ磨くものであると。 (You&I)

→チーム,個人であまり関係ないですね。「自働化」は、異常検知のしくみですね。(高木様)

●原価低減が目的 (P.18)

個人的には、アジャイルも「原価低減が目的」と言い切ってもいいと思う。企業活動なんだし、あまり青臭いと「上」にはうけないから・・・(takagiko)

(参考:http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20030629/1/

●日本企業の錯覚 (P.19)

P.21 「アメリカの場合では、職能別の組合があって」これを打破するための多能工。日本のソフトウェア開発ではテスターと開発者は分断されている気がしますね。 (You&I)

→ソフトウェア開発自体がアメリカから入ってきているので、分業化されていると思います。(高木様)

●生産の流れをつくる (P.22)

p.23 「機械設備の配置を変えて、(中略)、加工工程順に異なった機械を配置して、一個一個加工して作り上げていく」 いわゆるジョブショップレイアウトからフローショップレイアウトへの転換。(takagiko)

(参考:http://www.lean-manufacturing-japan.jp/jit/cat246/post-374.html

P.23 「多能工」多能工の目指す所は、P.209の第5章に説明がありますね。低成長時代を見越しての少人数でも多人数でも行える生産体制。 (You&I)

●「でかんしょ」生産にまいった! (P.24)

P.24 「でかんしょ節」兵庫県篠山市を中心に盆踊り歌。半年出稼ぎして半年遊んで暮らすという事。 (You&I)

P.25 「平準化生産」TPSを理解する上で重要な概念ですね。 (You&I)

●初めにニーズありき (P.26)

p.26 「必要は発明の母」 当時のトヨタは(米国のBig 3などと違って)カネがなかったからこそ、トヨタ生産方式ができたという話があります。(takagiko)

『戦後日本の自動車企業の能力を分析する場合,ある種の歴史的拘束条件(histortal imperatives)が結果としては競争力向上に貢献したという「怪我の功名」的状況が随所にみられる。その例としては,①経営資源が不足する中で生産量成長を余儀なくされたため結果的に効率的な分業関係が形成されたこと,②国内市場の成長がモデル多様化を伴わざるをえなかったために,結果的にフレキシブルな生産システムが構築されたこと,③資本の慢性的な不足が過剰技術の選択を回避する効果を導いたことなどがあげられる。』 藤本隆宏(1997)『生産システムの進化論』 有斐閣. p.52

→トヨタのルーツを調べるとなぜ資金がないトヨタが頑張ることができたのかを垣間みることができます。このあたりもお話させていただきます。(高木様)

p.26 「現場に対していかにニーズを感じさせるか、これが全体の改善を大きく進める鍵」これをどうやるのか。「改善塾」で聞いてみたい。(kaku_kaku)

→了解致しました。(高木様)

●意識革命が不可欠 (P.28)

P.29 「いつも手元に、なにがしらの原材料、仕掛品、製品の在庫を持っていないと、この激しい競争社会に生き残っていけない不安に産業人は襲われる。」個人的な話、私はそうですね。競争にさらされている訳ではありませんが。 (You&I)

→本当の競争というものを体験すると逆に怖くて持てなくなりますね。(高木様)

2章以降については、16日に回答させてください。

皆さん本を深く読まれていますね。

ありがとうございました。

これで、私も少々Deepなお話をすることができます。

楽しみにしています。(高木様)