第4話 スキスキクッキー

『小学二年生』2004年7月号掲載。

チャップスが作った新しいおかしは、食べさせた相手が自分のことを好きになるというスキスキクッキー。ドッキーに食べさせようと目論むリディーだったが、スピモンにクッキーを奪われてしまう。すんでのところでヒッキーが取り返すも、それを通りがかったヤムヤムが食べてしまい……。

……まあ、そういう話です。惚れた腫れたの話はなかなか難しいものがあるな。

「カフェテリアでジュースを飲んでいると」というわりに豪華な食事をしているヒッキーとリディー。アンプーとワットも後ろ姿だけ登場してます。

チャップスがLOVEと書かれたハート型のクッキーを持ってきた。ヒッキーもリディーも最初からかなり警戒気味です。なにせリディーは「チャップスの作ったフーセンガムを食べて、自分が風船になっちゃったことがある」というのだ。クッキーを試食しないかと言われたヒッキーの「あたたた…ちょっとおなかがいたくって…ざんねんだなあ…」という断り方が、いかにもヒッキーこういう言い方しそうだなあ……という感じ。

が、そのクッキーが「スキスキクッキー」だと知ると、途端に目の色を変えるリディー。チャップスからもぎ取るように奪い取って(とはどこにも書いてありませんが、多分そんなもんだろ)、「つむじ風のように、どこかへ走っていってしまった」。

つ、つむじ風だと……? ここまで小学二年生、誰のフシギがつむじ風なんて話は一言も出てきてないじゃないですかー! 分かる人だけが分かる地の文の遊び心かー!!

そう、リディーのお目当てはつむじ風のように現れるあの彼です。階段の下でドッキーを待つリディー。が、「おいら、クッキー大すき!! リディー、サンキューだモン!!」……誰がお前に食わせるって言ったよ!! もう、このへんのクッキーの奪い合いはだいたい『リディーの恋占い』で見たやつだ。

スピモン→リディーのフラグを体を張って阻止するヒッキーさん。なんとかクッキーを取り戻したものの、「うまそうなクッキーじゃねえか!ヒッキーなんかにゃもったいねえ、おれ様がいただいてやるぜ!!」と出てきたヤムヤムに、今度は止める間もなく食べられてしまった。今回、ほんとみんなエゴの塊だなあ、ヒッキー以外……。

「おれ様は、おめえに言いたいことがあるんだ…じつは…」

「ヒッキーのこと、大すきだったの♥ キャー! 言っちゃったあ~♥」

ヤムヤム、そういえば顔がピンクになっちゃったことありましたもんね。こういうノリはけっこう肌に合うのかもしれない。ハエたちまでハート型になって愛を表現します。いやマジで、みんな笑ってないでヒッキーを助けてあげてほしい、切実に……

今月のキャラクターたち

H『えんぴつの男の子。学校で「不思議」を勉強中だよ!』

C『キャンディーの女の子。動きすぎると、とけてきちゃう。』

L『オルガンの女の子。気が強いけど、女の子っぽいところもある。』

D『ドクロの男の子。かっこよくって、あこがれのマト。』

S『スピーカーの男の子。ちょっとお調子者だよ。』

Y『くさったバナナの男の子。ハエをあやつって、いたずらする。』

今回のドッキー、ほんとにただ階段を降りてきて騒ぎには目もくれずに通りすぎるだけの役なんですが、かっこよくってあこがれのマト。