#22 恐怖のシャドーモンスター

アンプーとワットは明るくて純粋でくせがなくて、言ってしまえば没個性なので便利なモブになりがちなんですが、ポイントは何といっても「2人であること」というわけでメイン回もいつも2人一緒なのだ。


第22話「恐怖のシャドーモンスター」

(脚本:須田泰成、絵コンテ:平田敏夫)


「それじゃ、雷みたいなやついってみるプー。いーい、ワット?」

「準備オッケーだよアンプー!」

光線を作って遊ぶアンプーとワット。「カミナリ光線、大成功!」ってタッチしてくるくる回って、ほんとこいつらかわいいなあ。ワットは比較的頭でっかちなプロポーションに大きなお目目なので童顔がちなのよね。

「お次はぐるぐる光線だプー!」

「わ~~~まわるまわるう~~~」

ワットの頭を回転させるだけでなぜかドット柄の光線が出るぐるぐる光線は、程良い叩き加減を心得ているアンプーにしかできない技なのだ(そうなのか?)。そこへ襲ってくるハエの大群。「気持ち悪くて悪かったな」と、もはや開き直っちゃってるその声は……

「「ヤムヤムだ(プー)!」」

「ウソップ様を忘れるなってんだ!」

黒い霧で光線を汚すウソップ様に、チュービーは絵の具でバナナのシルエットを作り「俺様の顔だ」……な、なんとあふれ出るセンスと親分愛……。


くすぐり攻撃でフィラメントがプッツンしてしまったワットくんですが、肝心の(?)頭取り外しの瞬間は見せてくれないホラースクール。

「まだ少しクラクラするけど、なんとか大丈夫」

すぐに仕返しを考えるあたり、この2人行動力がある。なお良いことを思いついてもワットの電球は特に光りません。


傘をパラシュートにして空のおさんぽを楽しむボロッカ……ですが、投げ縄絵の具に捕まえられてしまった。平泳ぎで逃げるボロッカを引きずり下ろそうとする極悪トリオ、ヤムヤムは「こんな楽しいことやめるもんか!」とすがすがしいまでのいじめっ子発言です。

そこに現れた恐竜、の影。アンプーが操る紙人形を、ワットが照らして影を映し出す。極悪トリオは見事にビビって逃げ出した。お尻を出して震えるボロッカは、降りてくるまでは空に浮かんだまま一人で怖がっていたのかしら。恐竜の正体を知ったときのふてくされたような感じがちょっとかわいい。仕返し大成功でアンプーも強気な笑顔です。


恐竜の操作の練習をするのはいいんですが、あえてお墓を選んだのは人目を避けてのことなのか。アンプーは「もうちょっとだけ。ほら、前よりもっと怖くなってきたプー!」と没頭しちゃうタイプっぽい。雷が直撃しても一瞬黒焦げになるだけで「びっくりしたプー」となんともないのはさすがというところ。

雷に打たれた恐竜の影は、なんと塀を飛び出してひとりでに動き始めた。紙人形を放り投げて逃げるときもワットはアンプーの頭の上。ふくろうじじいはこの時点でAWの様子を伺っている? 恐竜に影を食われた泉の水が固まっていることに気づき、悲しそうな顔をするワットくん。


イエローリザードクラスにて、たらったらったらーん!いえーい!と踊り狂っているオンプーとリディーは、忍び寄る恐竜にあっという間に影を食べられてしまった。オンプーは音符も一緒に固まっちゃってます。オルガンの低音がほんのり響いて消えるのがちょっと怖い。

「今こそ記録を塗り替えるとき」と今日も無駄にキザなドッキーですが、ここにも恐竜が襲ってくる。階段を這い上がる黒い影を見ても「俺のスピードについて来られるか?」とスピードスターは強気な姿勢を崩しません。まあ逃げてるだけなんだけどね!

影を食われたドッキーは慣性に従って手すりから飛んでいく。駆け寄ったクイッキーも「ぎゃ」と一言言い残して恐竜の犠牲に……。 2人とも女の子たちより倒れるときの音がちょっと鈍い。


急いで教室に駆けつけたアンプーとワットでしたが、時既に遅し。目に入ってきたのは固まってしまったティゲール先生の姿であった。窓にはチュービーが最後の力を振り絞って書いた緑色のSOS。恐怖にひきつるチュービーの顔が一番怖いかもしれない。

案外冷静なアンプーとワット、階段下で固まっているDQを発見。「ドッキーまで!」ってアンプーに言われるあたり、やつの学校内での立ち位置が分かるというものだよね。最後の瞬間まで実況を続けるノイジーが相変わらずタフすぎる。

「突然現れた黒いモンスターにみんなの影が食べられて……ああ、こっちに向かってきます……!」

画面ではカボがポーカーフェイスのままひっくり返り、ピラニンも廊下の奥に倒れている。「どうしよう、ぼくたちのせいだプー!」とアンプーはワットの腕をつかむ。


校舎の外に逃げればひとまず安全なのか、噴水の前に寄りかかって途方に暮れる2人。

「どうしたらいい? みんなカチンコチンにされちゃった……」

元凶である怪物を倒せば被害者は無事、はお決まりのパターンですね。ふくろうじじい、2人の力で、って言ってくれるのが良いよね。顔を見合わせていろんな方向から明かりを照らしてみるアンプーとワット。真上から光を当てると影は消えるのじゃ。光を以て影を制する!

あとは恐竜をおびき寄せるおいしそうな影ですが、ちょうどいいエサがいるんですね、鳥籠の中に。というわけで、骨にくくりつけられて校庭にさらされるじじいなのであった。


ここまで地味〜に逃げ切っていたボロッカと共に屋根の上に隠れる2人。ユルマキ草も生物だから影を食われてしまうのね。

「「恐竜さーん、そこにおいしい影があるプー/よー!」」

おびき出された恐竜が校舎の前にやって来た。ずっと必死にじたばた抵抗するふくろうじじいがかわいそかわいい。

ボロッカ、口ではネガティブなこと言ってもいざとなったらためらわずに飛んでくれるし、地味〜に今回のMVPなのでは。恐竜が真下に来た瞬間、ボロッカにつかまってアンプーとワットが真上から恐竜を照らす!

影の恐竜が消滅するとともに蘇る生徒たち。オンプーの「動けるわ」発言からすると影を抜かれた間も意識はあったということなのだろうか……。


素直に怖かったって言える極悪トリオがぼくは好きだよ。ベンダーマシーン、愛嬌のあるキャラクターなのですっかり忘れてましたけど、シルエットはふつうにオバケなんですよね。

シャドーモンスターをうまく制御して有効な使い方ができれば、アンプーとワットのフシギはかなり良いセンいくと思うんだけどなあ。オチは放置されることに定評のある(?)ふくろうじじいでした。


ふしぎコレクション「ふしぎな動く影」

今夜のふしぎはアンプーとワットじゃ!

今度はプテラノドンで同じことをやらかす2人。紙人形は自作だったのかな……

今週はエンディングのキャストも人数が少ない。まずヒッキーが出てこなかったので、トップがリディーというレアケース。


次回予告

「僕、アンプーだプー! 最近学校で缶蹴りが流行ってるんだプー! でも、悲しみの泉のせいで、楽しいはずの缶蹴りが暗〜くなってしまったんだプー……」

個人的な話なんですけど、次週の2話は初見のとき録画をミスってしまって、しばらく見返せない幻の回みたいな状態になっていたので思い出深いです。


<まえつぎ>