#49 ジャングルパニック

終盤になってミスターショータイムの出番急増してますが、よく考えればプレイルームってなんでもアリすぎて舞台用意するのも大変そうだし、CGアニメでは出しづらかったんじゃないかなーとか思う。その分、今回はジャングルで暴れまくる大盤振る舞い!


第49話「ジャングルパニック」

(脚本:シャノン・ミューア、絵コンテ:頼兼和男)


授業が始まってからノコノコ歩いてきた極悪トリオ(Y「だから俺様がガツンと言ってやったわけよ」)が廊下を通りかかると、イエローリザードクラスが妙に盛り上がっている。天井にはミラーボール、ドッキーも「来いよチュービー、今日の授業は楽しくなるぜ」と自分から声かけてくるほどの上機嫌。モニターから投影された映像が立体化して、ミスターショータイムが教室に現れた。

「サラマン先生のオーロラっていうフシギがちょっとトラブっちゃってねー、今南極にいるんだよ。教えるのは久しぶりだ、エキサイティングだぜ!」

ということで代打で教壇に立っているらしい。先生そんなフシギを運営してるのかとか、ショータイムは調理師の他に教員免許も持ってるのかとか気になりどころだらけなんですが、それにしてもクラスの違う2人は全く構われないし、チュービーも「早く教室へ入ってプリーズ!」と言われて素直に従っちゃうあたりいい子がすぎる。ヤムヤムとウソップは、チュービーに「頑張れよ!」と言い残してカフェテリアに行ってしまった。


ショータイムが授業に出ている隙にプレイルームに忍び込もうと悪巧みする2人。仰々しくチェーンで塞がれた扉は、ハエで作った鍵であっさり開いてしまう。

プレイルームは派手な電飾でキッチュな雰囲気がいいよね。UFOの絵が付いた箱(『極悪メンバー大募集』のおまけ映像でやってたゲーム?)とか、『Super CAT!』って黒い箱とか、バードウォッチングゲームとか、リバーシとか、チェッカー模様の『ROYAL』は盤ゲームかな、それにジャンルもダーツ、スロット、クイズ、アクション、パズルなどなど……ボードゲームのコーナーを後ろ手で眺めるウソップの向こうで、ヤムヤムは箱を取り出しては投げ捨てている。

お目当ては、必ず怪我人が出るから禁止されているという危険な『ジャングルゲーム』……って、ご丁寧にDANGER!って書かれてる割にふつうに流れてきたんですけど! 「Ages 5 to Adult」「2 to 4 Players」の表記やバーコードまで手の込んだパッケージを開けて覗き込むと、箱の中が光り出して……


プレイルームの床は空中に浮かぶゲームのマスに早変わり! 広大なジャングルをカラフルな鳥が悠長に飛んでいる。巨大なルーレットが降りてきて、びっくりした拍子に倒れちゃうウソップ。

『ジャングルゲームへようこそ。さまざまな冒険を乗り越えてゴールにたどり着いてください。それではどうぞ』

CVペギナンド先生のアナウンスが流れると、ヤムヤム、こういうときはずるいもので「お前からだぞ」とウソップにアゴで指図。親分の命令は絶対なのだ。ウソップが震えながらスタートのマスに飛び降りるとルーレットが回り、5の目が出た。人喰いアリゾーン、出た~~~!

「……なんだ普通のアリンコじゃないか。殺虫剤、シュシュシュのシュ~!」

あっさりアリ退治に成功するのを見ると、ヤムヤムは急に威勢よくなって「危険はどこだ! ちっとも怖くねえぞ!」と騒ぎ始める。4進んで沼地ゾーン、『吸血ヒルにご注意』……注意する間もなく尻を噛まれてしまうが、それも恐怖の幕開けにすぎないのだった……。


今回は場面転換のブリッジ音もワイルドで面白い。イエローリザードのみんなは机を移動させ、LPS(なんだかんだリディーがちゃんと仕切りそう)、HDT(主力メンツ固めすぎでは)、KBZ(部外者が理解できそうな気がしない)という極端な3チームでグループ活動。ショータイムの疾走感ある字は先生らしく達筆だなあ。

「今日のテーマは『みんなでフシギをつくってみよう!』。一番早くできたグループにはプレイルーム貸切券をプレゼント!」

これにはみんな不満そうですが、何を期待していたのか、ゲームみたいな授業してくれると思ってたのかな……フシギ作りはいつも通りのただの勉強だから面白くないのか。


泥まみれのヤムヤムを差し置いて、ウソップはトロピカルゾーンでみずみずしいフルーツを食いまくり「親分、このゲーム最高っすよ~!」。次にヤムヤムが止まったのは、赤いドクロマークのマスだった。

『ワニゾーンです』

「……今ワニと言ったか?」

「言いました」

マスはバカでかく広がってあっという間に密林になり、奥からワニ型ロボット(?)が現れた! 慌てて逃げ出すヤムヤムだったが、ウソップの手招きも空しく、鉄の柵が生えてきて外に出られない。


チュービーはそっぽを向いて手遊びに絵の具を弄んでいる。こういう非協力的な枠はドッキーの担当だと思ってたら、今回はむしろ「おいチュービー、ちょっとは協力しろよ」とか言い出したりしてて、なんか終盤のドッキーはいいやつ度上昇気味だよね。

プレイルームに忍び込んだ2人のことをポロッと漏らしてしまい、あ、言っちゃった…と顔を隠すように後ろ向きに座るチュービー。ショータイムがプレイルームに駆けつけるので全員ついて行くことになり、生徒たちは待ってましたと大喜びです。


「俺様は腐ってるんだぞっ! 食べてもおいしくないぞ!」

こんなときばかり腐敗アピールするヤムヤム、泥沼を命からがら泳いでいるところへ救いの手がやって来た。声をピッタリそろえて「助けに行くぞ!」と叫ぶヒッキーとドッキーがすごくヒーローしている。

ペア参戦可能だったらしいこのゲーム、助けに入れるのは一組2人までということで、ドッキーとチュービーが名乗りを上げた。後者はともかくドッキー、「心配するな。禁断のゲーム、いつかやりたいと思ってたんだ」とか言っちゃって、帽子を上げるときにキラーンって音まで入っちゃって、なんかもう面白いくらいノリノリです。

歩調を合わせてスタートへ進む2人。ルーレットの目は6、『落石注意』。ここからが伝説(?)のシーン、うろたえるチュービーをサッと両腕に抱きかかえ、岩をかわして隣のマスへ飛び移るドッキーだ!!

「そんなスピードじゃまだまだだぜ……」

粉々になって落ちていくマスの破片を見下ろしながら、スピードスターは背中で語る。チュービーは頭を振って真剣な表情になり(ボケキャラはこういう切り替えの早さが強い)、一マス先のワニゾーンに対峙するのであった。

一方、ひとり難を逃れていたかに見えたウソップですが、

『熱帯性スコールゾーン。激しいにわか雨でこの先通れません』

「良かった、ワニじゃなきゃなんでもいいや……えっ!?」

5進んで6戻るというアクロバット進行で見事ワニゾーン入り。猛ダッシュで逃げるヤムヤムの隣にワープさせられてしまう。


ドッキーとチュービーは柵を乗り越えてワニゾーンへ突入していた。

『3番プレーヤー、戻ってゲームを続行してください』

「うるさい! それどころじゃない」

警告のアナウンスに文句つけるドッキー。ヤムヤムとウソップはチュービーとの再会を喜ぶも束の間、怯えたかのようにすがりついてきた。おぼれる者はわらをもというか、あのチュービーが親のように頼もしく見える感動というか、でもそんな3人まとめてかばうように前に立っちゃうドッキーが、今回は本当に「いざというときは頼りになる」設定発揮してます。

ルーレットは真っ赤に光り、ルール違反のブザーを鳴らし始める。ワニの目が赤く輝き、奥からさらに大きな親ワニが姿を現した…!

「恐ろしいゲームだな……禁止された理由が分かったぜ!」

と言いつつこれだけ冷静なドッキーが一番恐ろしいよ。ワニをかいくぐって木の上を飛び移り、ドッキーは一人でジャングルの奥へと走っていく。


「こっちは任せるズラ!」と絵の具ヌンチャクをブンブン振り回すチュービー。子ワニに叩きつけること3、4回、ワニはひっくり返って消えてしまった。つ、つよい!!

「ま、本気を出せばこんなもんズラ」

が、怒りを増した大ワニが相手になると、今度はいくら絵の具でぺちぺち叩いても何のダメージもない。チュービーの方が尻尾の一撃で軽く吹き飛ばされてしまう。結局いざとなると親分の腕掴んで後ろに隠れちゃって、そういう等身大の勇敢さだから憎めないんだよなこいつは。

ターザンロープの要領で颯爽と戻ってきたドッキーは、3人をツタにつかまらせると、泣きわめくヤムヤムに「黙って見てな!」と一喝。

「つむじ風フォーエバー……ジャングルバージョン!!」

巨大な竜巻が巻き起こり、ドッキーの体が空に浮く。鳥も前進できなくなるほどの大風に、吹き飛ばされる極悪トリオ。重い木の実が揺られて落ちて、ワニの顔に直撃! 大ワニはそのままひっくり返って動かない。

大ワニを倒してワニゾーンは無事クリア。ドッキーはスタートへ飛び帰ってくる。あれ、極悪トリオを助けに来たはずなんですけど、極悪トリオ飛ばされてそのまんまなんですけど、めでたしめでたしみたいになっちゃったぞ……!?


どうやらショータイムがゲームを強制終了させてくれたらしい、一同はたちまち元のプレイルームへ戻ってきた。ここでリディーではなくカボの声でスゴイ!スゴイ!って聞こえてくるのがちょっとうれしい。

「もっと早くゲームを終わらせることもできたんだが……君たちがどんなふうに危機を乗り越えるのか見たかったのさ」

「もー、ミスターショータイムったら意地悪ね!」

「でも教室で授業をするよりもよっぽど勉強になっただろう? 特にドッキーのフシギ、つむじ風ジャングルバージョン! 迫力満点だったね~」

「フッ、まあね」

今日のドッキー、授業には積極的、危険なゲームには興味津々、チュービーはクールに抱っこするし、つむじ風フォーエバーは新技で、褒められてまんざらでもなさそう、と本当にめちゃくちゃテンション高かったな……。

「さあ、ゲームはここまでだ。そろそろ教室に戻ろうか」

「「イーッツクラスターイム! イエーイ!!」」


クラスのみんなが仲良くプレイルームから去った後、遅れて出てきた極悪トリオ。ウソップとチュービーはなぜか難を免れたようですが……。

「親分、そのお姿なんだかとーっても……」

「最悪ズラ……」


ふしぎコレクション「バツゲーム」

今夜のふしぎはプレイルームじゃ!

「あ、それ上下逆さまだぜ。それからウソップくん! そこ、汚れてるよ」

ショータイム、マイクじゃなくてマグカップ持ってる!


アイキャッチ:Y

ゲヘヘヘ……。


<まえつぎ>