#17 モテモテ?インキー

DVD5巻目に入りました。ジャケット裏の絵がこれなんですが

おっリディーちゃんはいつ見てもかわいいなあ〜と思うじゃん?

教室の外になんかいるじゃん?

気づいたとき怖すぎてびっくりしちゃった……


第17話「モテモテ?インキー」

(脚本:荒島晃宏、絵コンテ:西川伸司)


『10かいめ』

階段下に隠れてインキーの様子を伺うGFZ。暗闇でゾビーの真っ赤な目が目立つ……生徒で瞳の色が赤いのはゾビーだけなんだよね。

私たちは精一杯ふしぎを奏でるの~と鼻歌混じりでリディーがやって来る。ジーニーに呼び出されて来たはずが、誰もいない。いやウソです。インキーがいます。左胸のハートがばくばく動き、顔がピンクに染まってようやくに認識されるインキー。リディーちゃんはインキーみたいな地味なヤツのことは文字通りアウトオブ眼中なのだ。

「なんだインキーかあ。急に出てこないでよー」

「さっきからここにいた」

「あなた影薄いから気付かなかったわよ。ねえ、ジーニー見なかった?」

「しらない」

好きな子の前ではぶっきらぼうになっちゃうんだよね~わかるわかる。ラブレターを渡すチャンスに、「いまだ」って言うゾビーの口調のまったり感が好き。

というところでまたこいつらです、ハエ軍団に妨害され、リディーは逃げ出してしまった。ウソップの方を恨めしそうに見るフォントン。

「リディーちゃんには誰にも告白させねえ!」

ヤムヤムは学校中で一番の根暗でいくじなしが相手でも油断はしないのだ。


10回目の告白失敗にも、まあ嫌われたわけじゃないから、と慰めるインキー応援隊。推し被り(?)にも寛容なジーニーと、フォントンはいつものこととして、ゾビーが加わっているのにはちゃんと目的があったんですね……

「あーあ、せっかくのラブレターをこんなにしちゃったゾビ。要らないならもらうゾビ」

失敗したラブレターまでコレクションするっていくらなんでも悪食すぎるわ!

紙を広げた拍子にハートのシールが飛んで行って、通りがかったスカルドアの額に貼り付いた。えっと、スカルドア(CV:たぶんティゲール先生)、全52話のうち今回一度きりしか出てこないレアキャラです。要するに通り抜けフープなんですが、どこでもドアのスロット扉に比べると見劣りしたのか、画面に登場するのすら今回限りという。

スカルドアはウインクを飛ばしたかと思うと、目をハートにしてインキーに飛びついた。このときのBGMがいい感じに緩くて好き。全てのものが現象としてしか見えていないジーニー、突然の事態にもアホ冷静なのが最高です。スカルドアの激しすぎる愛に苦しむインキーを助けるため、勇ましい音楽とともに立ち向かうフォントン……か、壁に刺さったーーー!!

シールを剥がした途端、スカルドアはケロッとして立ち去ってしまう。いや、やっぱりこんな役目はキャラ立ても何も関係ない非レギュラーキャラでよかったのかもしれんな……。


シールの正体は、インキーのピンクのインクでフォントンがハートマークを書いただけのものだった。フォントンのセリフはゾビーの通訳で済まされちゃってます。白衣のジーニーが顕微鏡でシールを分析してみると……小さなインキーの粒が大量に……ウワーッ!!

「大発見です! リディーさんに好かれたいと思うあまり、インキーのピンク色のインクにスキスキパワーが発生したようです」

「このシールが貼りつくと誰かとチューしたくなるってことかゾビ?」

ほっぺにチューの妄想だけでも蒸発するほどお熱になっちゃうくせに、このインキー、どこまでも欲望に忠実である。

「ジーニー、シールを作ろう!」

「だめです。恋は正々堂々とするものです!」

頷くFZ。まあそれジーニーにだけは言われたくない気がするけど。やっぱり、ジーニーはリディーと恋人同士になりたいというよりも、根本的には自分の頭の良さを発揮して頼られるのが好きってことだと思うんだよね。で、目標ができると周りが見えなくなっちゃうジーニーなので、今はインキーの恋を成就させてやることしか考えてない感じ。

わざとらしく用事を思い出して逃げるインキーですが、なぜか今回、扉から理科室までの廊下が異様に長い。「みんな、ごめんね…」と外からスロット扉を回すと、理科室の外が音楽室につながってしまった。スロット扉って内側の教室同士もつながるんですね。


ひとりでニヤニヤしてピンクになって「今がチャンス」っていうインキー、いいかんじにきもちわるいな! しかし致命的なことに自分の頭に手が届きません。

スパイバエの情報を聞きつけ、早速現れる極悪トリオ。フタを開けてやって「どういたしまして」というのがいやらしい。インキーはインクだから、液体そのものが本体なんですよね。瓶が本体のビンセントと違って、目口も中身の方に付いているし。つまり、ハエ軍団の吸ったスポイトの中身こそインキーそのものなのだ。ウワーッ!!

ウソップの乾燥スプレーは効果覿面で、大量生産されたシールはあっという間に校舎の中へ飛んでいってしまう。骨山はだんだん極悪トリオの秘密基地みたいな扱いになってきたな。


「やれやれ……音楽室で女の子たちにこき使われるとは思いませんでした」

乱入者をちゃっかりこき使うLOJのしたたかさにクスッとしたところで、スロット扉から飛び出してきたのは……

「そこの3人! インキー様をどうする気!?」

「インキー様はアタイたちのアイドルよ。抜け駆けは許さないから!」

「インキー様を置いてどこかへ行ってくれない!?」

スキスキハートシールに支配されたインキー親衛隊の勢いに、紙のごとく吹っ飛ばされるジーニーたち。女の子たちは声色が絶妙に機械的で、洗脳されてるみたいでいっそ怖い。ここフォントンの息を飲む声が聞こえるんですが誰があててるんですかね。

「インキー様、具合はいかが? よろしかったらカフェテリアで一緒にケーキでも食べません?」

「何言ってんの! 音楽よね、音楽室で音楽を聴きましょう!」

「2人ともネクラ! インキー様はアウトドア派よ。校庭でコリアラの木に登りましょう……」

人喰い花の葉っぱで後ろからインキーをロックするジュノさん、つよい。この辺からジュノは孤高の姉御からギャルズの一員にポジションシフトしてくるんだよな……。

突然チヤホヤされ、参ったなあ……と嬉しい悲鳴をあげるインキー。いやーフォントンの力の抜けたポーズとの温度差がすごい。「まあ、スキスキパワーですから、いじめられることはないでしょう」って、インキーはそれでいいかもしれないけど、それでいいのかお前ら! さっきまで止めようとしてたくせに!


2階の吹き抜けからヒッキーたちも野次馬しに来る「何の騒ぎかと思ったら、インキーがモテモテだ!」。ヤムヤムは口の端をヒクヒクさせて、見たくないものを見てしまったという顔。何しろオンプーの口調まで「嫌ですわー!」なんて変えてしまうスキスキパワーですのよ。ケーキ!音楽!木登り!!にゅーっ!にゅーっ!

「あんまり痛いと3人とも嫌いになっちゃうー!」と腕をふりほどき、インキーはピンクトードクラスに逃げ込んだ。

ドアにロックボタンなんてついてるのも今回だけだよね……「出てこないと承知しないわよ!!」とジュノさん、やっぱりつよい。今回は都合良くスカルドアなんていうキャラクターがいるので、都合良く壁に入口ができてしまいました。インキーの前に整列して迫る3人。

「「「インキー様は誰が一番好き?」」」

これを絶好の告白のチャンスと捉えるジーニーにはちょっと同意しかねますが、

「……リディーちゃん」

「やったーやったー!!」

目的達成してそれぞれハイタッチするGFZはちょっとかわいい。ゾビーなんかすごく良い笑顔なんですけど、ねえ、お前ら本当〜にそれでいいのか。

「2人とも仲良くね!」と涙ながらに去るオンプーとジュノは気にも留めず、インキーとリディーは2人でイチャイチャし始める。これがまた、いいかんじにきもちわるい。

「インキー様~♡」

「様ってのはやめようよ」

「じゃあ、インキー♡ つんつん♡」

シールの成り立ちから考えるに、こういうことするのがおそらくインキーの理想の恋人像ってことなんですよね……。


というわけで、校庭でゾンビごっこ……つまり土の中で安らかに眠る遊び……?を始めた2人。噴水の脇にでっかい穴を掘り始めるインキーを見て、ジュノは「いいなあ、あたいもゾンビごっこがしたい……」とため息をつく。ここはオンプーの方が若干諦めが良い。

「土が冷たくてじめじめしてとっても癒やされるぅ」

「ステキ~♡」

このノリでエディがスキスキパワーの餌食にならなくて本当に良かったですよ。エディのくしゃみで突風が起こり、シールはみんな剥がれてしまった。

ひとたび効果が切れると全てはあっさり元通り。正気に返ったリディーは「何やってんの? 服汚れるわよ」と手加減ありません。目がハートになっていたときの記憶は何も残っていないらしいのが、ますます洗脳されてたっぽくて怖い。インキーの絶望の表情……


傷心のインキーに、ジーニーは飲み物を勧めて慰める。嫌われたわけじゃないから、とうなずくフォントンの良い笑顔。

「学校中を騒がせたスキスキハートシール事件は、ヤムヤムたちによる密造が原因と判明しました」

リディー、ブルースパイダークラスでインタビュー受けてるんですが、背後で見切れまくるスピモンがうるさかわいい。「不思議を使って女の子のハートをゲットしようなんて、サイテーよ!」と、結局非難されるのはヤムヤムなのね。なぜかノイジーの質問はリディーの個人的な話に移り、

「我が校のアイドルリディーさんとしてはどんなふうに愛を告白されたいですか?」

「やっぱりラブレターなんてステキよね~。ヘヘ!」

これであっという間に立ち直れるのがインキーのいいところです。フォントンはもう、ただラブレターを書くのが趣味なだけなんじゃないかと思えなくもない。自信たっぷりに胸を叩き、告白作戦は振り出しに戻る……

『11かいめ』


ふしぎコレクション「スキスキハートシール」

今夜のふしぎはインキーじゃ!

「あの……不思議判定は……」

「そんな堅い話は抜き♡ さあ行くわよ! ロマンチックね~! 星空のメリーゴーランド♡」

インキーの「気持ち悪……」は高速回転のせいなのか、校長に対して言ったのか……


アイキャッチ:I

インクの色はロイヤルブルー。満面の笑みがかわいすぎる!




<まえつぎ>