俺のアフリカ

外語祭報告

報告者: 渡辺晴海(「俺のアフリカ」店長、2019年度入学)

はじめまして、学部2年の渡辺です。遅ばせながら、私からは去年(2019年度)の外語祭の報告をさせていただきます。本当はこの原稿を2020年2月には書いていたのですが、恥ずかしながら原稿を先生にお渡ししそびれていたためにこの時期になってしまいました。例年は1年生が外語祭でアフリカ料理店を出店しますが今年はそれができなくなってしまい、今年2年生になった私としても非常に残念に思っています。(気休め程度にはなってしまいますが、状況が落ち着いたら1・2年生でブリック――チュニジアの春巻――パーティーをしようと話しています:写真1)例年どのようなかたちで料理店が作られているのか、受験生には少しでも来年への期待を込めて読んでもらえたら嬉しいです。

写真1: ブリック

外語祭の準備を本格的に始めたのは夏学期のこと。まず、「どのような料理店を作りたいか」ということを話し合いました。料理店というと楽しくも聞こえますが、特に人数が少ない語科は事前準備と営業の両方がともに大変で、それが原因で仲違いが起きてしまうこともしばしば。大変な中でも何か一つの目指すべきものを共有していれば、そのような状況を回避できるだろう、という意図もありました。

「本当にアフリカを旅して回ったような感覚を持たせたい」「ただ『思い出作りをしたい』っていう意識では軸がぶれるよな」…たくさんの意見が出る中で出した結論は、「お客さんと一緒に自分たちも楽しみつつ、アフリカを感じてもらうこと」を利益よりも重視したいということです。

利益をどのくらい出すか、どのように配分するか、ということは料理店では不可避の問題であると思います。上記のことを念頭に、

  • 利益は完全な平等分配にする
  • 売り上げ目標は数字で定めるが、必要以上に無理をしない

ことを決めました。また「楽しさ、美味しさを重視する!」ということで、例年出しているダチョウステーキに使用するのも「ファンフィレ」というモモの付け根の部位の柔らかくジューシーなお肉に変え、ブリック(チュニジアの春巻)も試作を重ねて、より美味しく・効率的に作れるようにしていきました(写真2)。

食品以外にもこだわり、使用する容器は環境に優しいものとし、カップには一つ一つアフリカのことわざや動物のイラストを添え、前売券も可愛くて手元にとっておきたいと思えるものを作りました(写真3)。

写真2: 試作会の様子

写真3: 前売り券3種

外語祭の直前になると、本格的に忙しくなりました。装飾を作り、各種書類を出し、備品や材料の発注の準備をし… アルバイトを掛け持ちしている、部活で発表や大会を控えている、外実で狂ったように忙しいなど、各々本当に大変だったと思いますが、皆で頑張りました。特にバイトに部活に多忙を極める中、一緒に共同研究室に籠ってくれた副店長には頭が上がりません。

いよいよ当日。料理店「俺のアフリカ」は、上記のブリックとダチョウステーキに加え、アマルーラ(南アフリカのクリームリキュール)と、タピオカルイボスティーを売り出しました。雨風で店内がびしょびしょになってしまったり(写真4)、材料が足りなくなってしまって同期や先輩に買いに行ってもらったり、ブリックが売れすぎて生産が追いつかなかったり。ハプニングはたくさんありました。

写真4: 雨風を耐え抜いた「俺のアフリカ」

その中でも、お客さんに「美味しかったです」「ありがとう」と言ってもらえたり、同期の親御さんや先輩、他語科さんから差し入れや励ましの言葉をいただいたりしたときは本当に嬉しかったです。ただ、「私たち自身も楽しむ」という軸を持っていた一方で、効率性の面から、ブリック作りの単純作業や寒い場所での受付を一部の人にずっと任せてしまったことは、一つの課題として残ったと思います。難しいですが、今後の後輩の参考になるように、というのと、その中でも最後まで頑張ってくれた同期たち(写真5)に感謝するという意味を込めて書いておきます。

写真5: ブリック作り

5日間の外語祭、最終的には全てのメニューを完売するほど、連日たくさんのお客さんにお越しいただきました(写真6)。正直全日程通して忙しさが半端なかったし、運営方法の課題は残してしまいましたが、これだけは言えます。本当に皆の才能を結集して作った料理店でした。

写真6: 営業後

いつでもどこでも映(ば)える写真を撮れるインスタ女王、素晴らしい器用さでブリックを包んでいく人、不思議なカリスマで皆を沸かせるインフルエンサー、宣伝の売り文句で文才を発揮する人、自由自在にイラストを描く人、難しい資金の運営をしてくれる人、CM作りで中島みゆきか?!というほどの歌唱力とキュートさを発揮した人、MTGをスマートに取りまとめるCEO、ただいるだけで空気を和ませる存在感等々… ありとあらゆる才能が集っており、それらが組み合わさって料理店という一つのものに向かっているという状況に鳥肌を禁じえませんでした。彼らには愛と感謝しかないです。大変なことばかりだったけれど、本当に楽しい数ヶ月でした(写真7)。これからの人生の中でも、彼らとは末長く付き合っていけたらと思います。

写真7: 合間に一息

最後に、料理店出店にあたり、アフリカの先輩方や外語祭実行委員会のみなさん、そして先生方にも、たくさんのご支援をいただきました。副店長をはじめとした同期の仲間、外語祭に関わった全ての方々、ご来店くださった方々に心から感謝いたします。ありがとうございました。

最終更新:2020年6月21日