大相撲の制度はなかなか面白い。
もともと角界というのは口伝の世界であったようであり、そこでは、しきたりを伝える者が、不要なしきたりは伝えない、修正するというような、融通の利くものだっただろう。時代の進展に従い明文規定が順次定められるようになったが、実態としては業界人の意思が集約されたところの意思決定で動いているようである。それは角界に限らずある時期までの日本型組織はそうだったのかもしれない。
また、日本相撲協会の理事長は基本的に大相撲において栄光ある地位を占めた親方がなるものだが、体を動かすことに秀でた者が必ずしも弁舌に長けるものではなく、彼らの説明が不合理に感じることがままある。そして、角界は極度に協会批判を恐れており、結果報道機関は協会批判につながるような記事を出すことには尻込みしている。
結果、大相撲において生起しているある問題について、当然議論において言及されるべき点が、協会の公式的な発言においても報道機関の記事においても言及されない、ということがまま起きる。
さらに、それに対する反応も当然多種多様なのだが、協会員は事情を完全に把握しているものであり、説明下手ではあるものの、出した結論は正当なものであることもままあり、それを過小評価した反応の方が失当ということもままある。
その辺りが私見を叫びたくなる動機かもしれない。
というわけで、相撲の制度については色々と考えなのか妄想なのか、そのようなものが広がる物好きが、似たような物好きだけが興味を持つであろう話をネットに放流したくなったわけである。