好ましい勝負判定で述べるが、私は、着体着足がなく、土俵内に足裏が着いている状態では、死に体にはすべきでないと考えている。
しかし、実際の勝負判定でどうなっているかは別であり、もしかしたらその時点で死に体を認めているのかもしれない。そこで、土俵内に足裏が着いている状態で死に体を認めたかもしれない事例を見ていきたい。
最初の画像で綿谷の足が出ている可能性があるが、そうでないのなら、綿谷がしゃがみこんだ辺りで死に体を認めた可能性がある。
大永谷の足が出ているのを前提とすれば、2番目の画像以前の時点、琴前田の足が着いている状態での死に体を認めたこととなる。
確かに重心喪失は足が地面に着いていても起こるのだが、勝負判定の資料としては難しくなりすぎ、反対である。
あるいはこれが「かばい足」か。その後手も出している。とはいえ、それでどれだけ相手の怪我が防げるのかは素人目には分からない。
しかしかばい足というのはどれだけ役に立つのだろうか。足側が押しているのならあまり怪我を防ぐようなことにはならないのではなかろうか。
寄りの場合は相手が引き付けてうっちゃりに出てきてそれを浴びせ倒すなら素人目にも怖いが、そのときは引き付けている分相手をうっちゃりやすい体勢でもある。このときにどうやって判断するのか。
いや、審判もプロだから判断できるだろうが、かばい足は攻め側が手を抜いたかどうかのみならず、守り側がうっちゃられないような場合に限るべきだろう。逆転の目があるのに攻め側が勝手に力を抜いたら攻め側の勝ちになるというのは不当だ。
そのような状況では、通常はかなり体が落ちているのではなかろうか。そこから攻め側が足を出してどれだけ怪我の防止になるのだろうか。
かばい足も、話を総合すると、北の富士が冗談で「かばい足はないのかね」と言ったのが、次第に実体化してきたもののようである。そして、もともとなかったことには理由があったのではなかろうか。
というわけで、個人的にはかばい足に懐疑的である。