どのように三賞を決めるかについても、スタンスの違いがあるだろう。それを見ていきたい。
まず、優秀成績がはじめにあって、それを各三賞に割り当てるのか、殊勲、技能、敢闘それぞれの基準で考えればよいのか、という発想の違いがある。
優秀成績者を割り当てるのであれば、限られた数の力士をそれぞれに割り当てることになるので、現在の三賞受賞例よりも、さらにそれぞれの賞の独自の意義が薄くなることになるだろう。
敢闘賞の項で述べたとおりである。これが嫌ならば敢闘賞独自の存在意義は何なのかを考える必要があるだろう。
また、授賞例では、敢闘賞というとりあえず与えられる賞があったから、成績優秀者は基本的に三賞を受賞できた。
成績優秀者を三賞とする方向性からは、敢闘賞を現在のようにとりあえず受賞できるものに位置付けておいた方がよいだろう。敢闘賞独自の存在意義を認め、かつ成績優秀者はいずれかの賞に割り当てるものとするような敢闘賞の設定は、難しいことになると思われる。
授賞例では、殊勲賞は対優勝者戦勝利という一番を重視しているように思われるし、上位対戦勝利も数番の成績を評価した者だろう。これに対し、敢闘賞や技能賞は、一番や数番を評価することはないように思われる。
三賞の基準に統一性をとるならば、敢闘賞や技能賞にも一番や数番の相撲を評価して授賞させることも考えられる。
このように考えるならば、勝ち越しを条件とする必要はないだろう。また、成績優秀者を割り当てるという考え方とは相いれないだろう。
逆に、殊勲賞について、対優勝者戦勝利の一事だけでは決めないという方向で統一することもありうる。