Homeで語ったようなことを初めて感じたのが、平成15年春場所、千代大海が12勝で優勝したとき、時の北の湖理事長が「12勝は横綱昇進の起点とはならない」と発言したことだった。私はその当時「なぜ連覇で昇進という内規があるのにそのようなことを言うのか」と強い反発を覚えた。これが昇進基準に興味を持つきっかけだった。
それから10年以上経ってこのページを作成するにあたり昇進基準を提示してみて(実態は逆)、結局自分の意見としては最初の私の反感は正しかった、ということになるのだろう。とはいえ、この件をきっかけにこのテーマの面白さに触れ、色々と考えというべきか妄想というべきか、そのようなものが広がった。それを整理したのがここに書かれている文章である。
相撲ファンの中で横綱や大関の昇進基準について興味を持つ方はおそらく多くはなく、また、その大多数が興味を持っているのは、実際の昇進基準がどのようなものであったか 、現在どのようなものであるか、ということだろう。それはここでは主題ではない。ここでの主題は、あるべき昇進基準の話である。