後者の勝負規則とは、旧日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定の相撲規則のことである。これを自分の理解から統一的なルールとして説明したい。
ここで問題になるのはその一部だが、ネット上で簡単には見つけられないところなので、全文を載せておきたい。
第一条 力士が立ち合うまでに、待ったの時間制度を認め、各段により左のごとく定める。
イ 幕内 四分
ロ 十枚目 三分
ハ 幕下二段目以下 二分以内
第二条 審判委員の時計係より指示を受けた呼出、行司は、明瞭に制限時間による待ったなしを力士に伝える。
第三条 制限時間は、呼出が東西の力士の名を呼び終わったときから計る。
第四条 制限時間後は、行司、審判委員が、故意に立たない力士と認めた場合は、負けを宣することができる。
第五条 立ち合いは腰を割り両拳を下ろすを原則とし、制限時間後、両拳を下ろした場合は、「待った」を認めない。
第六条 土俵内において足の裏以外の体の一部が早く砂についた者を負けとする。
第七条 土俵外の砂に体の一部でも早くついた者を負けとする。ただし、吊って相手の両足が土から上がっているのを土俵外に踏み出してから相手の体を土俵外に下ろした場合は、送り足となって負けにならない。
第八条 吊って相手の両足が土から離れても、後退してかかとから踏み切った場合は負けである。
第九条 頭髪が砂についたときは負けである。しかし、相手を倒しながら、瞬時早く髪がついたときは負けにならない。
第十条 土俵外にどれほど高く吊っても、また、相手の体を持ち上げても勝ちではない。
第十一条 俵の上を歩いても、俵の上に足をのせて、つま先、かかとがどれほど外に出ても、土俵の外線から外の砂につかなければ負けとならない。
第十二条 土俵外の空中を片足、両足が飛んで土俵内に入った場合は、土俵外の砂につかなければ負けとならない。
第十三条 締込の前の垂れが砂についても負けにならない。
第十四条 相手の体を抱えるか、褌を引いていて一緒に倒れるか、または手が少し早くついても、相手の体が重心を失っているとき、すなわち体が死んでいるときは、かばい手といって負けにならない。
第十五条 体の機能故障は別として、競技中に行司、審判委員の指示なくして競技を自ら中止することはできない。
第十六条 前褌がはずれた場合は、負けである。
第十七条 水入り後の取り直しには、前と違っているときは、力士は意見を述べることができる。
色々と興味深いが、ここで問題にするのは6条から14条である。そして、6条と7条本文は着地原則のことだから、7条但書と8条から14条を統一的に説明することがここでのテーマである。以下、着地原則以外の力士が負ける理由となるものを総称して死に体ということにする。