塩化アンモニウムの結晶化

塩化アンモニウムの熱飽和水溶液を冷却すると、雪のように結晶が降り積もります。

やけにフラクタルな堆積物。

フラスコを浮遊する小宇宙。

塩化アンモニウムの熱飽和水溶液は過飽和になりやすく、放置すると人肌程度に温度が下がってから、樹枝状の結晶がバラバラ降ってきます。

雪が降るみたいで楽しいんですよ。

微細な結晶核が巻き上げられ、これが沈降時に成長して、天上から雪が降っているのを眺めているみたいで。

30分ぐらいは降っています。

これ、下にクリスマスっぽいチビオーナメントを用意して、これに降らせたら、売れるだろうなーって思ったりして。

塩化アンモニウムは天然にも出てきます。火山の噴気孔などにいっぱい昇華するらしいです。

Sal ammoniac(アンモンの塩)というのですが、水に溶け、ちょこっと吸湿性があるので、鉱物マニアには歓迎されません。

塩安として肥料用に大量に生産消費されます。硫安と同じで土壌を酸性にしちゃうんですけれども。

ガチガチに固まるので肥料としては使いづらいのかな。

立方晶、空間群 Pm3m で、樹枝状の結晶は、正八面体の頂点方向に大枝が向いています(大枝は6本)。

原点まわりの xyz 座標軸に小枝が生えてるって表現のほうがわかりやすいですかね?