ガリウム

アルミニウムの一周期下、13族のガリウムです。

やや青みがかった銀白色の金属で、融点が30℃と異常に低く、体温で簡単に融けてしまうほど。

それだけならまだいいんですが、とにかくいろいろなところにペタペタ貼り付き、えらく難儀します。

テフロンやプラスチックはいいんですが、表面処理してないガラスとか金属はダメですね。もうムチャクチャにベタベタくっ付きます。

大変軟らかく、自己潤滑作用もあるので、スキーのワックスとかに使うことがあります。新谷かおるのスキーマンガ「烈風伝」にも出てきました。

で、融液をほっておくと、いっぱい結晶が育つので、流しだすとキレイな結晶が取れます。

素手では触れないのですけれど。

結晶化に伴うエンタルピーの出入り(結晶化熱)が大きく、融点近傍で解かすときは加熱してもあまり温かくならず、冷たいままです。融解に伴って熱を奪うからです。逆に、融液から結晶化が始まると、熱を放出して温かくなります。

エネルギー貯蔵に使えないかなーとか考えたのですが、いかんせん外界系との温度差が小さすぎ、熱サイクルを設計するには無理があります。

不思議な元素で、多くの結晶構造ができます。このぐらい多彩な多形を有する金属元素は他にありません。

シンチレーション検査に用いることがあります。