・一般的な中高の英語では進行形と言われる
・特に中学の英語は何でも○○形(受け身形、未来形など)にしてしまう
・○○形は主に時制による動詞の形に用い得られる用語
・時制(tense)と相(aspect)は組み合わせて表現するものなので混同は避けたい
・現在形、過去形、現在進行形、・・・、過去完了などを全部別々の時制と認識している高校生が多い
・生徒が進行相という言葉を使うようになるところまで求めることはないが、時制と区別させる意味でも進行相という表現も使っていきたい(完了相も同様)
・相をひとまとめにして、進行相(進行形)と完了相(完了形)を一緒に扱う手もある
・が、完了相は進行相よりも理解しづらいこと、過去分詞を覚える必要がある、教科書で完了相が出てくるのは中3である、などの理由により難しいだろう
・一方、進行相は教科書で中1の範囲に入っていること、when節を学ぶときに進行相(過去)が既習でないと例文のバリエーションが苦しい、などの理由から中1で扱っておきたい
・ただし、過去形が未習であればそちらを優先したほうがよい
・「時制と相の組み合わせ」という話をするのに現在形と過去形が生徒の中に揃っていないのは都合が悪い
・完了相も紹介だけしておく手はある
・be+…ingで「…している」というのが一般的
・「…している」は習慣や状態にも用いるので、特に日本語の字面にとらわれがちな生徒の場合は注意を要する
・「しているところ」「している最中」など誤解が少なく意味のくっきりする表現を用いるとよいだろう
・ごく始めのうちは生徒にも極力そう訳すようにしてもらうとよいかもしれない
・…ingは現在分詞だが、この時点で現在分詞という語を知る必要は特になさそう
・そもそもこの語は直感的に分かりづらく立場が微妙でもあるので「ing形」でも構わないだろう
・動名詞との区別が気になる場合はできるだけ現在分詞と呼ぶ(呼ばせる)方がいいだろう
・進行形の文型的扱いに関して
・be動詞の理由付けのために現在分詞を形容詞扱いにしてSVCと説明する考え方もある
・beを既習のものと一致させられるというメリットがある
・現在分詞以降がすべてCに組み込まれてしまうので文構造が把握しづらくなるという欠点もある
・一般的な文法解釈に倣い、beを助動詞としてbe+現在分詞全体を動詞句としてVにしたほうが無難だろう
・SVOの文が進行形のときだけSVCになってOだったものがCの一部になるというのは体系化としてあまり好ましくないという側面もある
・また、このbeを助動詞としておく方が後々(かなり後々だが)の体系的理解には都合がよい
・一般的にそう解釈されているのにはそれなりの理由がある
・とはいえこのbeについてどこまで詳しく扱うかというのは微妙な話
・そもそもな助動詞が未習ということもある
・たぶん詳しく話しても得られるものが少ない
・「今までに出てきたbeとは活用や限定のルールは共通だが機能的にはちょっと異なるもの」くらいにしたほうがよいだろう
・テキスト例では割とがっつり説明しているが、これは既習者の学び直しも想定しているため
・進行相はその性質上、幅の狭い時間での表現になる
・学校ではnowを伴っていることが多く、nowと現在進行形が紐付けられてしまっている生徒も多い
・そう指導する指導者もいる
・しかし実際にはnowがついても進行形でないことも多い
・逆に進行相(現在)でもnowがつかないことも多い
・中学英語でnowが多用されるのはnowを現在進行形を表すアイコンにすることで単純化し出題を楽にしようという含みがあるものと思われる
・例えばyesterdayなどが過去を表すアイコンであるのと同様
・が、「nowがあったら現在進行形」のような理解になるのはできるだけ避けたい
・when節が未習なので、進行相(過去)も例文が作りにくいかもしれない
・thenや前置詞を使って何とかしよう