・いわゆる文章問題
・前半の山場のような扱いをされやすい単元
・だが、等式の作り方も方程式の計算も既に終わっている
・なので理想的に運んでいれば何も教えることはないはずではある
・そうも言っていられないので復習を交えつつ典型的な問題などで基本的な考え方を改めて教えておきたい
・文章題の目的はおそらく状況を把握して適切な式を利用することだと思われる
・パターン暗記にしてしまうと目的が損なわれる面もある
・各個人の理解や把握の形によって式も微妙に異なってくるはず
・その意味でも「正しい式」を規定してそれに固定しまうことは(可能であれば)避けたい
・文章題は大別して
「同じものを二通りに表して等号で結ぶ」
「等しい2つのものを等号で結ぶ」
「計算式=計算結果」
というような3つのパターンがある
・もちろんこれらは同じことだが、中学生はこれらのうちの一部の形しか認識できていない場合がある
・必要に応じて(生徒目線では)別の考え方も教えてやると、できることが増えるかもしれない
・いずれにせよ、「なぜそれとそれを等号で結べるのか」という確認は密にしたい
・等式の作り方自体は前にやっているので、あまり芳しくない生徒は復習を挟むといいだろう
・未知数の設定を自分でやる以外は方程式と変わらない
・未知数の設定については(特に典型問題のパターン解法だと)書いている生徒自身が何のことだか分かっていない場合もある
・「このxは何を表しているか」「この3x+5は何を表しているか」などの確認をこまめに行なっていきたい
・本来はそれ無しで式が作れるわけがないのだが、特に典型問題はよく分からないまま何となく書いた式でも解けてしまうことがある
・はじめのうちは、1つの文章に対して「人数をxとして」「合計金額をxとして」のように未知数を指定して複数の問題を作ったりするのもよい
・文章問題の演習はどうしても典型的なものになりがちであるが、入試問題などはそれぞれ工夫が凝らされていてレベルの低いパターン処理では通用しづらい
・しかしそういう問題を指導者が多数用意して練習するのは難しいので、演習を単なるテンプレート埋めにしないような工夫がいる
・それぞれの文字や式が何を表しているか、なぜそのような式になるかなどを確認しながら進めていきたい
・生徒がうまく式を作れないものについては、方程式でなく数値で計算できるか確かめてみるといいかもしれない
例:「8人がけの椅子が13脚あり、これに生徒を座らせたら誰も座らない椅子1脚と5人しか座っていない椅子が1脚できた。このとき、生徒の人数は何人か」
・解を求めた後の確認については、立てた式でなく問題文との照らし合わせによって行いたい
・うまくやれない生徒も多いので、やり方は授業で教えておいたほうがよい
・適する解が存在しない問題も混ぜておいて確認の習慣をつける助けにするのもよい
・方程式を解くと人数が非整数になるものや質量が負になるものなど
・xは適して見えるが他の要素で適さなくなるものも混ぜておくとなおよい
・合計金額に「いくら以下」のような条件がある、追いつく前に駅についてしまう、など
・それによって鍛えられる能力はともかく、類似の問題を高校で見ることは少ない(数Ⅰの序盤で多少出てくる)ので、文章題は定期試験や高校入試に必要な最低限に抑えて他の単元に時間を回す手もないではない
・ただし、問題文を読んで状況を整理する能力自体は非常に重要
・特に物理や化学の問題を読むのに大きく関連してくるかもしれない