・展開
・最初に「(単項式でない)多項式×÷単項式」があるが、実質的に中2の内容
・もちろん、できていないとかスムーズでないとかであれば念入りな復習&演習を要する
・「(単項式でない)多項式×(単項式でない)多項式」(いわゆる展開)は、同類項を生じるものも含めて全部分配して整理する方向で
・分配のしかたについては天下り的に教えてしまってもさほど困らないが、必要なら教科書通りに分割された長方形の面積などで教えるとよいだろう
・この時点でランダム生成ツールなどを用いて数を解かせたい。1,000問くらいを目安に
・50問のプリント20枚と考えればさほど多くない
・1分で5問程度解ければ3時間前後で済む
・問題の生成が大変ならば3~4種類作って使い回しでも大丈夫
・中盤から暗算を交えて1行で処理できるように仕向けていく
・中2の文字式で「項ごとに計算」という習慣をつけておけば話が早い。ついていない場合はここで
・暗算しろと言うと大抵の生徒は頭の中で全部分配→整理とやろうとするので、二次の項を暗算して書く→一次の項を暗算して書く→定数項を暗算して書く、という手順を教える
・このように暗算するには最終的にどのような項が残るのかわかっている必要がある
・一次式×一次式なら答えは二次式になる(二次の項、一次の項、定数項の3つが残る)というのが経験的に身につく程度の数をこなしてから
・一次の項や定数項という言葉が通じないと説明がスムーズでなくなるので、中2時点で教えていなかった生徒や忘れている生徒にはその辺を身に着けさせてから
・いわゆる乗法公式については、上記手順を経て1,000問前後解けば自動的に公式化する生徒が多い
・そうでもない場合は「結局これとこれ足してるだけだよね」のように補助してやる必要がある
・先に学校で乗法公式を教わるとうまくいかない恐れがあるので、春休みからフライング気味に始めて間に合わせたい
・(x+a)²のタイプについては、分配しやすさのために最初のころはもう一つ(x+a)を書き加えさせてもよい
・適当なところでそれをせずに解かせたい
・分配と暗算をベースに指導することで、xの係数によって「公式が使える形」「使えない形」のような区別をする必要がなくなる
・従来なら「公式が使えない形」である(2x+5)(3x-7)のような計算も1行で済むようになる
・それにより、将来たすき掛けが何をしているのかも理解しやすい。場合によってはたすき掛け無しで因数分解できるようになるかもしれない
・中学生のうちにたすき掛けを教えるかどうかは指導者の方針次第
・大抵の問題は各項の係数や定数項が一桁か10台程度だが、文章題などで大きい数が出てくることもあるのでそれを見越した問題も混ぜておきたい
・今後の計算のため、121や144、169などはこの時点で覚えているように仕向けたい
・一覧にして暗記するのはナンセンスので、そのような数字が出てくる問題(特に144)を多めに用意し、「大きい数字が出てきたらそれがどういう計算の結果だったか確認しよう」のような声掛けをしていくとよい。授業でも出てくる度に強調しておく
・平方数だけでなく、72や126のような使用頻度の高い数も多めに用意したい
・ランダムに数字を用意していけば必然的に多くなる
・置換を用いるものについて
・導入時の解説では置換を用いずに解きたい
・下線や○で囲うなどして塊を見えやすくする程度でよいだろう
・その後に「よく分からなかった人向け」として置換を用いて説明したい
・困ったら全部分配でもよい。確認や計算練習の意味でもやる意義はある
・置換する場合、「a+bをXとする」のような断りが抜けている答案には厳しく対処したい
・学校の定期試験では置換していないと減点になる場合がある。もちろん無視してもよい
・展開して整理するものについて
・展開に1行、整理に1行が目安
・それ以上かかる子は数をこなしてそれ以上を目指したい
・時間がかかり過ぎなければ項ごとに暗算して1行でもよい
・計算前と計算後に簡単な数(x=1など)を代入して確認する習慣もつけさせたい
・展開の速さは計算力の土台になるので、複雑なものも交えつつ数をこなして速度向上をはかりたい
・とにかく問題数多めで
・事あるごとに50問100問という単位で与えたい。速度さえあれば意外とすぐ終わる