・中2序盤の最重要項目と言えるかもしれない
・教科書レベルでも意外と操作が難しく、定期試験でも正答率低めなので比較的力を割いて指導する方が多いだろうが、従来の二倍くらいの時間と労力を割いてもいい
・下準備として方程式の練習問題をやっておく手もある
・複雑な式は正答率が低く、そういうものを正確に変形できることが今後重要にもなるので、ややこしいものをたくさん解かせたい
・正確に解くためにはミスの防止も大事にはなる
・負の符号が残らないよう右辺と左辺を自在に利用する
・(そのほうがやりやすければ)移項しつつ右辺と左辺を逆に書く、などの作法も教えていきたい
・このあたりは方程式で教えておいてもよい
・一つ一つの処理は方程式でやっているものとほぼ同じだが、数字だったものが文字になると途端に挙動がおかしくなる生徒が多いので、中下位の生徒だとかなり苦戦するかもしれない
・数字から文字へというのは中学数学の重要テーマの一つでもあり、その意味でもこの単元は大事にしておきたい
・連立方程式の時間を削ってでもやり込む価値はある
・また、この単元を扱うとき、学校の授業も既製のテキストも同値性に対して驚くほど無頓着である
・ここは非常に重要なところなので(特に大学受験組は)重視したい
・x=y/aとy=axは同値ではなく、x=y/aと同値なのは「y=axかつa≠0」である。このことは必ず生徒に伝えたい
・とはいえ式変形は必ずしも同値変形である必要はないので、x=y/aをy=axに変形するのは別に誤りではない
・問題にx=y/aと書かれている(その式が成り立っている)時点でa≠0が含意されていると考えられる。欲を言えば「a≠0とする」と断ってほしいところではある
・しかし、y=axをただx=y/aに変形するのは誤りである
・「a≠0ならばx=y/a、a=0ならばxについて解くことはできない」などと書かせたい。中学生には酷かもしれないが。
・数字ばかりの世界を脱して文字を操る世界に入っていく中学生だからこそ、でもある
・繰り返すが、式を変形する上で同値性を意識するのは数学において非常に重要なことである。