・教科書的には乗除→√12=2√3のような変形→有理化→数字の大きい乗法や乗除混合→加減→四則混合→代入計算、のような流れ
・平方根の四則はできるだけ天下らせずにどのような計算が可能か考えたい
・√2×√3をこれ以上簡単な形で表せるか、表せるとしたらどのようになるか、など
・「計算できる/できない」という表現は不適切なのでできれば避けたい
・他に選択肢もないので大部分の生徒が√6を予想するだろうが、本当にそれでよいかどうかを考えさせたい
・x²×y²=(xy)²、くらいのヒントで答えられれば上出来だが、中学生はうまく論述できない場合が多いので多少感覚的な表現でも汲み取ってあげたい
・理屈がうまくわからない子も多いと思うので、いざとなったら電卓で√2、√3、√6の値(近似値)を求めて積になっているか確認する…というレベルでもいいだろう
・もちろん十分性が全く足りていないので、せめて何通りか確かめさせたい
・証明にはならないが、予想の傍証にはなるし生徒の実感も伴うのでいきなり天下らせるよりはだいぶよい
・少し先の話だが、√2+√3のときにも同様にして√5と表せるかどうかなど考えさせたい
・√12=2√3のような処理には約分・通分や有利化のような一般的な呼称がなく、意外と不便
・中高生のうちは頻繁に行う処理なので、なにか内輪での名前をつけておくと便利かもしれない
・学校ではすだれ式の割り算で素因数分解して同じ因数が2つあったらその数を前に出すというのが一般的
・機械的な処理になってしまいそうな場合、はじめのうちは一度√(2⁴×3³×5)のような形(カッコは不要)で書かせてからのほうがよいかもしれない
・更に√(2²×2²×3²×3×5)のような形に直させてもよい
・あくまではじめだけ。いつまでもそれでは困る
・中下位の子は「2から順にチェック」のすだれ式でいいが、それ以上はできるだけショートカットさせたい
・√48程度までなら暗算が望ましい
・教え方にもよるが、素因数分解の手法には個人差があるのである程度は本人任せでもよい
・すだれ式に割る場合も4や9で割っていく、割っていく中で49や144などの平方数が出てきたらそこでやめる、そこまでの過程で2も5も出てきてないのに10が出てきたらそこでやめる、などの判断ができるようにさせたい
・√96あたりを「16×6だから4√6」のように処理できるようになれば中学生としては及第点
・√8,√12,√18・・・と一覧表にして暗記させる学校もあるが、暗算にせよ割り算するにせよ計算して求めさせたい
・量をこなすなりして「結果として暗記している」のならむしろ望ましい
・この処理ができるようになると次は√56×√189のような計算が出てくるが、こういうものも教科書通りの解き方に比べてショートカットの余地が大いにあるのでいろいろ工夫させたい
・有理化
・単に有理化と言ってしまうことが多いが、原則的に「分母の有理化」と言うようにしたほうがいいかもしれない
・少なくとも問題文ではちゃんと書きたい。「次の数を有理化しなさい」のような雑なものを見ることがあるが、さすがにこれは良くない
・基本的にはふつうに教えればよいが、√6/√2のようなものも分母分子に√2を掛け始める子が多いので約分の意識は持たせておきたい
・√15/√10のようなものも混ぜていくとよい
・5/√5を約分して√5、10/√5を約分して2√5、くらいの処理までできるようになれば中学生としては及第点
・テキストによっては(順序的には加減や展開を扱った後だが)1/(√2+√3)のようなものの有理化も扱っている
・学校のワークにも混じっているかもしれない
・中学のうちにやる必要性もあまりないので余力があったら、あるいは定期試験に出そうならやる、程度でいいだろう
・それよりは基本的な処理を速く正確にしてより複雑な処理にもスムーズに対応できる土台を作っておきたい
・加減
・もちろん√2+√3は√5ではない
・これも天下らせずに「√5と表してよいのかどうか」を考えさせたり確かめさせたりしたい
・(x+y)²がx²+y²にならないことなどがヒントにはなる
・「足せない」と言ってしまうことがあるが、できるだけ言わないようにしたい
・四則混合も含めて、計算自体はこれまでの内容を踏まえつつふつうに教えれば問題ないだろう
・√20+10/√5のような形のものは練習によいので多めに扱っておくとよい
・乗法公式が絡むもの
・(2+√3)²のようなものは最終的には1行で終わるようにしたい。この手の計算に強いと高校に入った後のメリットが大きい
・「汚い形」に強くなり、「愚直にやると面倒だが思いつけば/知っていれば楽な解法がある」という問題で何も思いつかなくても計算力で勝負できるため
・三角比や図形と方程式に顕著
・やらせてみると意外と難しくない
・(x+y)²などが流れ作業レベルになっている方がよい
・そうでないと別種の公式のようなものとして認識されるリスクがある
・(2+√3)²のようなものが1行で済むことにより、その後に出てくるややこしいものも比較的スムーズに処理できる→同一時間内の演習量を増やせる→処理がさらにスムーズに、という好循環を期待したい
・代入計算
・二次式に代入するものが多いので上記手順が取れていれば楽になる
・x²-4x+4にx=2+√3を代入するような、一工夫あると楽になるものを多めに扱ってこういうものにも慣れさせておきたい
・余力があればx²-4x+1にx=2+√3を代入させたりするのも面白いかもしれない
・とにかく平方根の計算は展開因数分解と並んで今後の計算力の礎となるので色々なバリエーションのものを大量に解かせて可能な限りの速さと正確さを手に入れておきたい
・簡単なものなら思考がショートカットされて「いちいち考えなくても見ただけである程度勝手に思い浮かぶ」くらいにできれば後がだいぶ楽になる