・中学生が初めて遭遇する「式を交えた論述」と思われる
・証明に限らず、記述はもちろん非常に大事なので力を割いて教えたいところ
・ただし、いきなり論述させるとテンプレートを覚えるような単元になってしまうので要注意
・例えば
1.奇数を整数nを用いて表しなさい。
2.もう一つの奇数を文字を用いて表しなさい。ただし、1.の奇数とは無関係にどのような奇数にもなれるようにしなさい(この辺の問題文は実は割と作るのが難しい。「異なる」だと不正確な上に2n+3でもよいことになる)。
3.それらの数を合計しなさい。
4.得られた数が偶数か奇数か答えなさい。
5.その理由を答えなさい。
のように細かいステップの設問で話の流れに慣れさせていくとよいかもしれない
・1と2で同じ文字を使ってはいけない理由や「2(n+m)+1が奇数とは言えない」のはどういうときか、なども答えさせていくとよい
・条件を考えるときは「その条件を満たさないとどういう不都合があるか」を考えていくのも有効な手段
・この単元は、既製の教材でも複雑な方には割とバリエーションがある
・中~上位にはどんどんやらせて記述を添削していくだけでも力になる
・しかし、簡単な方はバリエーションが乏しく同じようなものばかりなので、下位はただの型の暗記になってしまう恐れがある
・自分が何をしているかも分からずとにかく同じように書いている…という風になるのは避けたいが実際にはちょっと難しいところ
・定期試験のために、偶数や奇数の問題だけでも書けるようにしておくあたりで妥協せざるを得ないのが現実かもしれない
・将来国公立の二次を受けるであろう生徒には、模範解答のコピーだけでなく自分の言葉で式を補いながら話を進めていく練習をさせたい
・ただ、(誰かに規定された型ではない)自分の言葉で証明を書くのに抵抗感のある生徒も多い
・(架空の?)「入試における記述の採点の厳しさ」を掲げて自分の指導した型通りでない答案を減点する教諭もいる
・それら主張の多くは入試(特に大学入試)における採点の実態に即しているのか極めて疑わしい
・少なくとも塾内では無視するのが望ましいが、学校の試験でどう書くかは生徒に任せる
・定期試験での失点を恐れて塾がそのような誤解の後押しをしてしまうのは避けたい
・もちろん学校で指導された型通りの答案を減点すべき、ということではない
・もしそれが問題のない記述であれば、だが
・同一問題中で出てくる同じ文字には同じ数が入るということに気付かない子がたまにいる
・そのままでは論理展開の解りようがないので、それに関して最初に説明しておいたほうがよいだろう