・いわゆる「書き換え」
・willに対するbe going to、mustに対するhave toなどは中学英語でも定番
・もちろんこれらは「似たような意味になることがある」というだけで全く同じ表現ではない
・それをどこまで生徒に伝えるかは微妙
・全く同じでいついかなる時も交換可能だと思われてしまうのはもちろん困るのだが
・「違い」を強調すると実際には交換可能なときも含め常にどちらか一方のみが望ましいという風に思われてしまう可能性もある
・実際は曖昧な部分も多く残るので、「違いはあるけどそこまで厳密なものではない」ということをうまく弁えさせておきたい
・意味内容が明確に異なることは少なく、ニュアンスというか「どう聞こえるか」の印象が違うという程度
・法助動詞について説明してあれば、それの有無によってニュアンスの違いがどう出るのかを説明できるかもしれない
・中学生のうちはほぼすべて交換可能であると思ってもよいが、教科書の本文では「7時に駅に着かねばならない(have to)ので早く寝なさい(must)」など意外ときっちり使い分けられている
・授業でwill/be going toの違いに触れる教諭もいたりするなど、少し風向きが変わっているのかもしれない
・何にせよ筆記試験で正誤をつけられるような性格のものではないが、今後コミュニケーションやスピーキング重視の流れが加速してくるとこのあたりのことも重点的に扱われるようになってくるかもしれない
・must/have to
・mustは法助動詞なので語り手の判断による強制(しなさい)、have toは規則などの周辺状況による強制(する必要がある)
・語り手の判断が客観的であることもあるので、どちらでも構わない場合も多い
・未来や過去のときはhave toを用いる
・否定文での違いはどのテキストにも出てくる
・must notが禁止になる理由は少しややこしい
・haveは存在を示唆する動詞なので、「(義務付けるような何かが)存在する(肯定文)→しない(否定文)」となって「する必要がない」となるものと思われる
・need/need toはこの時点では出さなくてもよいだろう
・must/must notは命令文との書き換えの方を重視してもいいかもしれない
・willとbe going to
・willは法助動詞なので心的態度があらわれる
・その場で決めた予定はwill、予め決まっていた予定はbe going to
・willは語り手の意志や予想、be going toは周辺状況からの予測
・といったあたりがよく言われる違いだが、例によって交換可能な場合も多い
・中学のうちはこだわらなくても大丈夫
・未来は過去のように形で明確に規定された時制ではなく、現在形や現在進行形でも表せるなどもともと曖昧な部分を多く持つことは伝えておいてもよいだろう
・あまり厳密に考えられても困るので、未来は時制に組み込まないほうが無難かもしれない
・どちらの場合も、法助動詞が表すのは語り手の判断、そうでない場合は周辺状況からの判断という原則が共通しているといえるかもしれない
・語り手の判断も客観的判断だったり、周辺状況からの判断というのも結局は語り手が判断しているので明確に線を引く事はできない
・情報構造などと同じく、理解を助けるためと割り切って細かく違いを強調したり正誤を規定したりしないほうがよい