・中学で一つの文法単元として扱われることは稀
・卒業まで学校で前置詞という言葉を一度も聞くことがない中学生もいる
・もちろん文中にはバンバン出て来る
・その都度「~に」「~へ」などの訳が割り振られておしまい
・もちろんこれでは何の力もつかないので塾ではしっかり教える必要がある
・教科書には前置詞をテーマにした(と思われる)ページもあったりするので、そういうところでやっておくのもよい
・前置詞を教えるには少なくとも副詞と形容詞について僅かでも知識があったほうがよい
・場合によってはそれらの復習を入れてからのほうがいいだろう
・前置詞+目的語(※)が名詞を修飾する場合、必然的に後置修飾になるので若干難しくなる
・後置修飾は中2の不定詞でも出てくるし中3では大きなウェイトを占めるので早いうちから馴染ませておくのはメリットになる
・前置詞+目的語による後置修飾は特に前触れもなく普通に教科書に出てくる
・が、いきなりは難しいので下準備として日本語で修飾―被修飾の関係について指導しておいたほうがよいかもしれない
・特に「私が昨日買った本」「青い目の少女」のような連体修飾節・連体修飾句を用いるもの
※
・「前置詞+目的語」は「前置詞句」と呼ばれることがある
・この用語は名詞句や副詞句と同様に「前置詞として働く句」、つまりin spite ofやin addition toのようなものを指す場合もある
・どちらが正しいということでもないようだが、齟齬を来さないように授業の中では統一しておく必要があるだろう
・前置詞+目的語を前置詞句と呼ぶ場合、in spite ofのようなものは群前置詞と呼ぶ手もある
・ずっと「前置詞+目的語」で通す手もある
・この時点では生徒サイドに前置詞の用例に触れた数が少ないので、その場では実際あまり実りのある授業にはなりにくい
・しかし前置詞はどんどん出てくるので、早いうちに一度教えておいて出てくるたびに補足していけば得られるものは大きいだろう
・放っておくと前置詞と日本語の字面を対応させ始める生徒が増えるのでそれはできるだけ回避したい
・「前置詞なる概念があること」
・「各前置詞はそれぞれ固有のイメージや用法を持っており単一の日本語訳と対応するものでないこと」
・「目的語とセットになって文中で主に形容詞や副詞として機能すること」
・このくらいは教えておきたい
・それがあれば、その後の出てくるたびの補足が生きてくるはず
・時間があれば最初に各前置詞についてもガツンと教え込んでしまうのも悪くはないはず
・もちろん、その場合もその後出てくる度に補足する必要はある
・"write with a pen→withには道具を表す用法がある→ペン「で」書く、というような経路で訳させたい
・ここでwithと「で」が短絡されてしまわないよう気をつけたい。気をつけていてもそのような生徒は出てきてしまうので、できるだけ減らすために前置詞が出てくる度にしつこく言い続ける
・with a pen全体で手段を表す副詞だ、というところまで解ってもらえたら言うことなし