[第13回UE4ぷちコン]振り返り:導入デモ

概要

・状況説明、ウソの補強、価値向上

・止め絵+クロスフェードで省力化

・Sequence作成も全体仮組→肉付けにしたい

導入デモ

なぜ入れたか

状況説明

このゲームは、想定する状況が複雑すぎる。

「ツイートを検索して写真で位置特定するゲームです!」

と言われて、どういう遊びなのかイメージできるだろうか。

ここで

「芸能人がアップする写真を解析して

使ってる家具のブランドとか部屋の間取り、住所、

瞳の反射から撮影者まで当てるゲームでしょ?

得意だよ」

と思った方は、怖いのでスパブロ願いたい。

とにかく、普通はピンとこないと思うので

ゲームが始まるまでの状況を説明する必要があった。

ただ、

「スマホでTwitter的なものをやっている」という部分は

完全に現代人コンテキスト任せになっている。

「キングダム ハーツIII」のローディング画面で、

特に説明もなくSNSっぽい投稿が現れる(そしてタグが多い)。

この表現は(少なくともゲームを遊ぶ層的には)一般的なのだろう、と判断した。

ウソの補強

状況が分かったとしても、

「つまみぐいしたの誰だ!」って

重火器でフル武装しながら職場に突入しつつ聞けばいいじゃんという事になる。

わざわざSNSを経由して探す理由をつける必要があった。

デモ中にゲームで主に使うUIと同じものを入れ、

さらにゲーム内で行うタグ検索を行う事で

「確かに、これで探せるやんけ」という風に意識を向けたかった。

価値向上

よくわからないことをやらされるゲームなので

少しでもゲームプレイに価値を付加したかった。

迫真の演技()によりキャラクターに感情移入したプレイヤーは

必ずやクリアまで遊んでくれるに違いない。

少なくとも、紹介動画でオチは見てくれると思う。

見てくれるんじゃないかな。

心で泣く準備はしておく。

止め絵表現

省力化

第12回UE4ぷちコン応募作

カットシーンに制作時間の半分以上を費やした。

動かすと、それに伴って色々な手間が発生するので

やはり時間がかかる事はわかっていた。

ロボは動かしまくった反面、キャラクターの方はほぼ止め絵でごまかしていて、

そこは手間の割に間が持ったので

今回はいっそそれメインで行こうと思った。

また、毎月のEpic無料Asset配布でMob Animation系が何回かあったので

そこから切り抜くなりチョイ足しするなりで

どうにかなりそうだという目算もあった。

クロスフェード

「ショックでコップを落とす」シーンで使いたいが為に入れた。

おまけで他のシーンでも使ってみたが

案外間が持つし、切り替え時に音を入れる事で

何が起こったかも説明が付けられたように思う。

※映像の作法について学んでいないので

滅茶苦茶な事を言っている可能性があります

技術的な補足

Frame GrabberでCaptureした絵をPost Processで全画面Textureとして使い、

Alpha値をMaterial Parameter Collectionで制御していた。

※…のだが、Post Processでやってしまうと

Tone Mapper等の関係で任意のTextureをそのままの色味で出すのが手間なようだ。

この記事ではUMGに実装を差し替えたもので説明する。

Scene Capture ComponentでなくFrame Grabberを使ったのは、

UIごとCaptureできる点と、

カットシーンではカット事にカメラの設定が異なるので

都度Scene Capture Componentの設定を合わせるのがめんどくさいという点があった為。

Frame Grabberそのものについては

おかずさんのブログ参照。

提供して頂いているサンプルでは、

Capture機能とバッファを持ったFrame Grab Actorが定義されている。

自分はこれに、1frameだけ撮影して自動終了するフラグを追加する改造を加えた。

Sequencer内で以下のように使っている。

・Spawnable Actorにすることで、Sequence終了時に勝手に後始末される

・基本的に止め絵なので、適当に絵が落ち着いたタイミングでCaptureしている

・Captureした後、Alphaを1にしたタイミングでCameraやActorを新しい状態にし、

徐々にAlphaを0にしてフェードさせる

なお、Sequencer Director内でAdd to ViewportするUMGで

全画面Imageに以下のMaterialを割り当てている。

反省

制作時間

止め絵でも土日まるまるかかった。

(クロスフェードの実装で半日ぐらい詰まったというのもあるが)

すぐに結果が出る部分なので、つい凝ってしまう。

「全体を仮組して少しずつ肉付けする」というスタイルでプロジェクト全体を回しているが、

これをSequence作成単位でも適用しなくてはならんと感じた。

これぐらいの規模なら二日程度でできる、と言うのは目安として覚えておきたい。

開発に投資できる時間は有限なので、費用対効果を考えなければならない。

デモ無しで二日余ったとして、その時間でゲームをもっと面白くできるかと言うと…

別ステージを作るには短いし、機能を足すにはバグが怖い、

やはりキャッチーな導入を作るのは丁度良かったのかもしれない。

止め絵の使い方

あと、止め絵は止め絵で、

「どれくらい止めた状態で見せればよいか」の塩梅が難しいと感じる。

制作中に見慣れすぎると、どんどん短くしてしまう。

特に後半のゲームUIが出てくるあたりは尺が短すぎたかもしれない。

初見の場合は字を読んでいる間に次の演出に行ってしまうので、

ストレスになる可能性がある。

集中線エフェクトで強引に犯人のツイートに注目させているが

これもやっぱり短い気がする。

このあたりはやはり他人に評価してもらうのが良いと思うのだが

なにせ出オチ芸なのでソロ製作者には難しい所だ。

ご感想などあればお気軽にTwitterでお知らせ下さい(自然な誘導)

以上