80. コフキトンボ

Deielia phaon (Selys, 1883)

【形態】

  • 体色は未熟なうちは♂♀ともに黄色地に黒条があるが,成熟するとシオカラトンボなどと異なり♂♀ともに青白い粉をふく.

【生息環境】

  • 平地から丘陵地の挺水植物の繁茂する水面の開けた池沼.

【生態】

  • 羽化後もあまり移動しない.成熟♂は挺水植物などに静止して縄張りをもつ.産卵は♀単独で行われ,浮葉植物などを腹端で叩いて卵を付着させる.多産地では♂♀が集団で止まっている光景をよく目にする.

【分布】

  • 北海道・本州・四国・九州;朝鮮半島,台湾,中国,ロシア.

【県内分布記録】

  • 四国中央市,新居浜市,西条市,今治市,松山市、東温市,伊予郡松前町,伊予市,大洲市,西予市,宇和島市,南宇和郡愛南町.

【備考】

  • ♀は前・後翅の縁紋よりも基部側にミヤマアカネのような褐色の帯をもつ個体(オビトンボ型)も知られている.また,この個体は体に粉をふかない.オビトンボ型は愛媛県からは記録がない.

【引用文献】


愛媛県の分布図



発生消長図



成虫





幼虫

コフキトンボ幼虫

松山市 2013年7月7日 武智礼央撮影