17. オオイトトンボ

Paracercion sieboldii (Selys, 1876)

【形態】

  • ♂の体色は鮮やかな水色.♀は黄緑色だが,♂と同じ色をした個体も稀に見られる.眼後紋は大きく後頭条がある.肩縫線の黒条は♂♀ともに1本,♂の尾部付属器は横から見たとき上付属器よりも長い.

【生息環境】

  • 平地から丘陵地の,挺水植物の繁茂する池沼や湿地,放棄水田,穏やかな流れなど.

【生態】

  • 成熟♂は水辺の植物に静止して縄張りをもつ.産卵は連結した状態で水面に浮いた植物組織内に行われる.♀単独での産卵も見られる.

【分布】

  • 北海道・本州・四国・九州;朝鮮半島.

【県内分布記録】

  • 今治市,松山市,上浮穴郡久万高原町,喜多郡内子町,大洲市,西予市,宇和島市,北宇和郡鬼北町,北宇和郡松野町,南宇和郡愛南町.

【備考】

  • 県内では年2化で,春に出現する個体は夏に羽化する個体よりも大型.同属のセスジイトトンボとともに県内では大変稀な種である.

【引用文献】

愛媛県の分布図



発生消長図



成虫





幼虫