77. ハネビロトンボ

Tramea virginia (Rambur, 1842)

*下の発生消長のグラフでは羽化殻のデータを表示していない

【形態】

  • ♂♀とも幅広い後翅を持つ.後翅基部には大きな褐色斑があり,その斑紋の基部中央に着色の薄い部分がある.腹部第8~10節背面には黒斑がある.♂は成熟すると腹部が赤くなる.♀は黄褐色.

【生息環境】

  • 平地から丘陵地の沈水植物の繁茂する開けた池沼など.松山市内では直径約47m,水深約30mの藻類が繁茂したコンクリート製のため池で大量発生したことがある.

【生態】

  • 成熟♂は水辺の植物などに静止して縄張りを持つが,縄張り飛翔を行うことが多い.産卵は,一旦連結を解いて♀のみで打水を行い,また連結する(間歇打水産卵).

【分布】

  • 四国・九州,沖縄,八重山諸島;朝鮮半島,台湾,中国,東南アジア.

【県内分布記録】

  • 四国中央市,西条市,今治市,松山市,東温市,上浮穴郡久万高原町,伊予市,喜多郡内子町,西予市,宇和島市,南宇和郡愛南町.

【備考】

  • 北海道,本州の記録は飛来記録とされている.四国,九州以南では幼虫越冬が確認されている.

【引用文献】


愛媛県の分布図



発生消長図



成虫





幼虫