20. モートンイトトンボ

Mortonagrion selenion (Ris, 1916)

【形態】

  • ♂は淡黄緑色の地に黒条があり腹端部は鮮やかな橙黄色をしている.♀は羽化直後は全身が橙色で成熟すると緑色に変化する.同属のコフキヒメイトトンボに似るが,♂眼後紋が弧状になっていること,♀は翅前縁に黒条がないことで区別できる.

【生息環境】

  • 平地から丘陵地の低湿地や湿田.泥深い環境を好む.

【生態】

  • 成熟♂は明け方から湿地の植物の間を飛んで♀を探す.交尾は朝に観察され,日が高くなると見られなくなる.♀は日中,単独で水面付近の植物組織内に産卵する.

【分布】

  • 本州・四国・九州;朝鮮半島,中国,ロシア.

【県内分布記録】

  • 今治市,上浮穴郡久万高原町.

【備考】

  • 県内では過去に3例の記録しかなく,1984年を最後に見つかっていない.本種の再確認のため,生息地である田園周辺の調査が必要である.

【引用文献】


愛媛県内の分布図



発生消長図



成虫





幼虫