5. コバネアオイトトンボ

Lestes japonicus Selys, 1883

【形態】

  • 胸の金属緑色部は胸部第2側縫線に達しない.♂は成熟しても胸部と腹部は白く粉を吹かない.同属他種とは,♂♀ともに後頭部が黄白色であることや,胸部側面は♂が淡青色,♀が淡緑色なこと,成熟すると♂の複眼は鮮やかな青色になることなどから区別できる.

【生息環境】

  • 平地や丘陵地のクログワイやカンガレイ,ガマなどの抽水植物の繁茂する池沼や湿地.

【生態】

  • 成熟♂は水辺の植物などに静止して縄張りをもつ.産卵は午後から夕方にかけて,連結した状態で水辺の挺水植物行われる.♀単独での産卵もしばしば行われる.

【分布】

  • 北海道・本州・四国・九州;朝鮮半島,中国,ロシア.

【県内分布記録】

  • 中予)松山市,(南予)宇和島市.

【備考】

  • アオイトトンボ属の他の種に比べて硬い茎の植物に産卵できないために生息域が限られていると言われている.県内では過去に4例の記録しかない.

【引用文献】

愛媛県内の分布図



発生消長図



成虫

コバネアオイトトンボ♂

香川県内 2009年10月30日 杉村光俊撮影


コバネアオイトトンボ♀

香川県内 2009年10月30日 杉村光俊撮影


幼虫