体色は未熟なうちは♂♀ともに黄色地に黒の条斑があり,成熟すると♂は全体に青灰色の粉を吹き,一見すると小型のシオカラトンボのようである.胸部第一側縫線上黒条は上部まで達する.同属他種とは成熟♂の色彩や顔面に眉斑をもつことで区別できる.
平地から丘陵地の,周囲を樹林に囲まれた,秋に池干しをするすり鉢状のため池.
成熟♂は水辺の植物などに静止して縄張りをもつ.産卵は連結または♀単独で行われ,空中からため池水際近くの土に卵をばら撒く.
本州・四国.
(東予)四国中央市,新居浜市,西条市,今治市,(中予)松山市,東温市,伊予郡松前町,伊予市,(南予)喜多郡内子町,宇和島市.
張りブロックなどでため池の内法が護岸されると産卵が出来なくなる.また,本種は秋に池干しをするため池に産卵するが,農業形態の変化や護岸改修,人手不足などにより水を抜くため池が減ったことも本種の減少要因となっている.日本特産種.
ナニワトンボ♀(未熟個体,翅端斑型)
愛媛県内 2017年7月**日 杉村光俊撮影(今川博久採集)
ナニワトンボ♀(未熟個体,翅端斑型)
愛媛県内 2017年7月**日 杉村光俊撮影(今川博久採集)