49. ミヤマサナエ

Anisogomphus maacki (Selys, 1872)

【形態】

  • 体色は♂♀ともに黄色地に黒の斑紋がある.胸部側面の黒条は2本.♂♀ともに腹部第7~9節が広がり,特に♂において著しい.また,♂は腹部第7節側面に丸く大きな黄色斑がある.

【生息環境】

  • 平地から山地の河川中~下流域.夏季は高所に移動し,その後河川で産卵するが,一部は山頂付近で配偶行動をすることが知られている.幼虫は河川中~下流域の泥の中に潜って生活する.

【生態】

  • 成熟♂は川岸の地面などに静止して縄張りをもつ.♀は単独で卵塊を打水産卵する.長距離移動することから,川辺で本種成虫を見つけることは難しい.

【分布】

  • 本州・四国・九州;朝鮮半島,台湾,中国,ロシア,ネパール.

【県内分布記録】

  • 今治市,松山市,東温市,上浮穴郡久万高原町,喜多郡内子町,大洲市,西予市,宇和島市,北宇和郡鬼北町.

【備考】

  • 県内での分布は局所的.成虫よりも幼虫の方が発見するのが容易だと思われるので,今後幼虫の調査を行えば,本種の確認区域はより広がると思われる.

【引用文献】


愛媛県の分布図



発生消長図



成虫



ミヤマサナエ♀

大分県内 1979年7月22日


幼虫