体色は♂♀ともに金属光沢をもった緑色.♀は透明翅のみだが♂は橙色翅と透明翅の2タイプが出現する.橙色翅型♂は翅の結節周辺に大きな不透明部をもち,成熟すると体全体に白粉を吹く.透明翅♂と♀は特にアサヒナカワトンボとそっくりだが,本種の方が縁紋がより細長いこと,また,胸部を側面から見たときにその高さが頭幅と同じくらいなのが本種,頭幅よりも短いのがアサヒナカワトンボとされる.
平地の小川から山間部の上流域.
橙色翅型の♂は河川の植物や石の上に静止して縄張りをもち、♀が近づくと求愛行動の後連結する.透明翅型は縄張りをもつことが出来ない代わりに他の♂の縄張り内に侵入し,求愛行動を経ずに♀と連結する.産卵は♀単独で行われ,水辺の朽木などに卵を産み込む.
北海道・本州・四国・九州;ロシア.
(東予)西条市,今治市,(中予)松山市,東温市.
従来オオカワトンボと呼ばれていたものとヒガシカワトンボのほとんどがニホンンカワトンボと和名が変更になった.本種は四国では中央構造線よりも北側に分布するとされる.
ニホンカワトンボ♂褐色翅型
愛媛県内 2010年4月29日 高橋士朗撮影
ニホンカワトンボ♀
愛媛県内 2010年4月21日 高橋士朗撮影
ニホンカワトンボ幼虫
東温市 2018年11月10日 久松定智撮影
ニホンカワトンボ幼虫(尾鰓)
東温市 2018年11月10日 久松定智撮影