23. アジアイトトンボ

Ischnura asiatica (Brauer, 1865)

【形態】

  • ♂の体色は胸部が緑色,腹部第8節背面は黒色で第9節は全体が青色.♀の体色は未熟なうちは朱色であるが,成熟するとくすんだ緑色となり,また腹部第1節背面には黒条がある.同属のアオモンイトトンボに酷似するが,本種の方が一回り小型.♀の腹部第1節の黒条の有無でもアオモンイトトンボと区別できる.

【生息環境】

  • 平地から山地の挺水植物の繁茂する池沼や湿地,水田などに生息.

【生態】

  • 成熟した♂は水辺の植物に止まって縄張りをもつほか,植物の間を低く飛んで♀を探す.交尾活動は午前中から行われる.交尾時間は数時間と長い.

【分布】

  • 北海道・本州・四国・九州:朝鮮半島,台湾,中国,ロシア.

【県内分布記録】

  • 四国中央市,新居浜市,西条市,越智郡上島町,今治市,松山市,東温市,上浮穴郡久万高原町,伊予市,喜多郡内子町,大洲市,西宇和郡伊方町,西予市,宇和島市,北宇和郡鬼北町,北宇和郡松野町,南宇和郡愛南町.

【備考】

  • 県内では,近年特に中予地方で激減している.生息環境の悪化のほか,似通った環境に棲んでいるアオモンイトトンボに生息地を追いやられたと考えられる.

【引用文献】


愛媛県の分布



発生消長図



成虫





幼虫