74. ネキトンボ

Sympetrum speciosum speciosum Oguma, 1915

【形態】

  • ♂♀ともに前・後翅の基部が広く橙色.ショウジョウトンボに似るが,胸部側面には2本の太い黒条がある.♂は成熟すると眼面,胸部,腹部全体が赤くなる.♀の体色の変化は少ないが,成熟すると腹部背面が赤くなることが多い.

【生息環境】

  • 平地から山地の樹林に囲まれた池沼.県下では山間の,山から水が流れ込む透明度の割と高いため池や貯水槽で見られる.

【生態】

  • 成熟♂は水辺の植物に静止して縄張りをもつ.産卵は連結した状態で,開けた水面に打水産卵を行う.

【分布】

  • 本州・四国・九州・朝鮮半島・中国.

【県内分布記録】

  • 四国中央市,新居浜市,越智郡上島町,西条市,今治市,松山市,東温市,上浮穴郡久万高原町,伊予郡砥部町,伊予市,喜多郡内子町,大洲市,西宇和郡伊方町,八幡浜市,西予市,宇和島市,北宇和郡鬼北町,北宇和郡松野町,南宇和郡愛南町.

【備考】

  • 和名には,翅の根元が黄色いという意味がある.

【引用文献】


愛媛県の分布図



発生消長図



成虫





幼虫

ネキトンボ幼虫

松山市 2013年7月29日 武智礼央撮影