30. カトリヤンマ

Gynacantha japonica Bartenev, 1910

【形態】

  • 華奢なヤンマの仲間。体色は♂♀ともに胸部は深緑色で無斑.腹部の第2節には青色斑があり,腹部第3節以降は黒色.

【生態】

  • 産卵は♀単独で行われ,稲刈り後の水田やため池周辺の湿った土の中,柔らかい朽木などに卵を産み付ける.黄昏飛翔を行うほか,灯火に飛来することもある.ミルンヤンマと同じく晩秋まで見られるヤンマである.

【生息環境】

  • 平地から低山地の田圃やため池.

【分布】

  • 北海道・本州・四国・九州,奄美,沖縄;朝鮮半島,台湾,中国.

【県内分布記録】

  • (東予)新居浜市,西条市,今治市,(中予)松山市,東温市,上浮穴郡久万高原町,伊予郡砥部町,伊予郡松前町,伊予市,(南予)喜多郡内子町,大洲市,八幡浜市,西予市,宇和島市,北宇和郡鬼北町,北宇和郡松野町,南宇和郡愛南町.

【備考】

  • かつては,水田地帯で多数見られたが近年激減している.また,本種はロシア兵捕虜が松山市で採集し、同市を基準産地として新種記載された.

【引用文献】


愛媛県の分布図



発生消長図



成虫






幼虫

カトリヤンマ幼虫

松野町 2013年6月4日 武智礼央撮影