被災後は電話やネットがつながりにくくなる。その原因は、
・ 緊急通信を優先するため、一般通信には通信規制をかけるため
・ 通信施設が被災するため
・ 停電が長引いた場合、基地局の非常電源が途絶するため
(停電直後は非常電源が動作するが、1日~数日後には非常電源が切れてしまう)
通信機器としては、固定電話、スマホ・携帯電話、パソコン、などがあげられる。また、通信情報としては、音声と、データ(文字など) がある。しかし、通信の仕組みは大変複雑であり、また、日々技術の進歩があるので、どのような通信機器、通信方法が、被災時に送受信しやすいのかは、予測が難しい。
以下では、判断のための参考情報を提供する。
・被災直後は膨大な量の通信が発生する。(東日本大震災時は、通常の50倍程度) その場合、通信業者によって通信規制がかけられるため、音声通信は大変つながりにくくなる。
・東日本大震災時には、深夜(午前1時~4時) には通信量が低下し、通信規制は解除された。(ただし、翌日6時から深夜まで再度通信規制がかかった)
(出典:「大規模災害等緊急事態における通信確保に関する在り方に関する検討会」)
・メール、SNS等のデータ通信は、大幅な遅れが発生する可能性がある。
・スマホ・携帯電話の無線基地局や通信設備が被災し、使用不能となると、長期間、スマホを使った電話やインターネットが不通となる。
・ 停電が続くと、非常用電源の燃料が枯渇し、1都3県のスマホ・携帯電話基地局の5割が停波となり、回復には1週間以上を要する。
(出典:中央防災会議 「首都直下地震の被害想定と対策について」2013)
・ 自宅などで、光回線などの有線を利用した Wi-Fi を利用している場合は、無線基地局の被災の影響は受けないが、有線回線や有線基地局への被害の影響は受けてしまう。
※ 10年以上前の状況であるので、現在は改善されているかもしれない。
・公衆電話は通信規制の影響を受けないので、音声通話を行うならば、公衆電話の利用が有効と考えられる。
2025.4.5