自然現象に「絶対」はありません。
自主防災会ホームページでは「所沢に震度7の地震は“ほぼ”発生しない」と記載されていますが、“絶対に”発生しないとは言い切れません。
言い換えれば、エステシティにおいても「震度7の地震が発生し、家屋が倒壊する」可能性はゼロではないということです。
したがって、万全を期すのであれば、家屋の倒壊や避難に関する備えも行っておく必要があります。
とはいえ、時間や費用に限りがある中で災害対策を進めるには、発生確率の高い被害への対策から優先的に取り組むことが合理的です。
たとえば、雨が降りそうなときに傘を持って出かける人は多いですが、道沿いのマンションから植木鉢が落ちてくるかもしれないからといって(実際に落下例はあります)、ヘルメットを持って出かける人はほとんどいません。
傘を持ってヘルメットを持たない人が大半でしょう。中には両方持つ人もいるかもしれませんが、傘を持たずにヘルメットだけを持つというのは、合理的とは言えません。
このように、災害対策は「発生確率の高い事象」に対する備えを優先することが合理的です。
ただし、「雨と植木鉢」のように分かりやすいケースとは異なり、災害の発生確率は私たち一般市民には判断が難しいものです。
そこで自主防災会ホームページでは、「所沢市防災ガイド」や「政府の地震本部ホームページ」など、信頼性の高い公的情報を参考にして、エステシティにおける被災状況の発生確率を整理し、それに基づいた対策を紹介しています。
もちろん、発生確率の高い事象への対策だけで十分というわけではありません。
より万全を期すのであれば、発生確率が低い事象に対しても、可能な範囲で備えておくことが望まれます。
どこまでの対策を行うかは、各人の判断と責任によるものです。
エステシティにおける想定最大震度は6弱とされており、また、地域内の大半の家屋は1981年以降の新耐震基準に基づいて建築されています。このことから、所沢市防災ガイド(11ページ)に記載されている「木造建物の震度別全壊率」に照らしても、エステシティでは家屋の倒壊はほぼ起こらないと想定されています。 自主防災会ホームページでも、この想定に基づいた説明を行っています。
ただし、耐震基準とは「その震度の地震に対して1回は倒壊せずに耐えられる」ことを前提としており、同程度以上の地震が複数回発生した場合の安全性は保証されていません。 また、建築から数十年が経過している家屋も多く、メンテナンス状況によっては耐震性が低下している可能性があります。雨漏りによる腐食や白アリ被害などがあると、構造の強度が損なわれることもあります。 さらに、まれに施工不良によって本来の耐震性能が確保されていないケースも考えられます。
これらの点を踏まえ、各家庭においては自宅の耐震性をどの程度と判断するかによって、追加の防災対策が必要になる場合があります。
2025. 8. 25