英語が日本語話者にとって難しい理由は、英語が日本語とかなりかけ離れている特徴のある言語だからです。例えば、テニスをやったことのある人が卓球をやる場合、同じラケット競技でコート内で戦い、似ています。似ているものなら、ルールは身につきやすいです。しかし、全く違うものを学ぶのには時間も手間もかかります。ここでは、英語と日本語の違いについてまとめています。
英語と日本語では多くの特徴が異なっています。これらの違いが日本人にとって英語を難しくさせている原因です。
語順の意味
日本語と英語は語順が違います。
例:
I like them. (主語+動詞+目的語.)
私は彼らが好きだ。(主語+目的語+動詞。)
英語も日本語も主語が先です。しかし、日本語は次に目的語がきます。日本語は、動詞は一番最後です。日本語では最後に来る動詞が、英語では主語の次にきてしまいます。この語順に慣れるまでがとても大変です。
日本語は語順に厳しくない言語です。語順を入れ替えても意味は変わりません(ニュアンスは変わるでしょうが)。
例:
私は彼らのことが好きだ。
彼らのことが私は好きだ。
文末に動詞がこなければならないという制約はありますが、主語の『私は』は自由に動かせますね。これは、日本語には助詞の「は」「が」「に」「へ」などがあるおかげです。『私は』と言ったらそれはもうどこにあっても主語だとひと目で分かります。
一方、英語は語順に関して厳しい言語です。つまり、語順が変わると意味が変わってしまいます。
例:
I like them.
私は彼らのことが好きだ。
They like me.
彼らは私のことが好きだ。
最初に『 I (私)』 がくる場合と、最初に『 they (彼ら)』が来る場合とで、意味が変わってしまいました。英語には日本語のような助詞がないので、語順が助詞のような働きをしています。そのため、語順自体に意味があるのです。
語順の違いが日本人にとって英語を難しくさせている原因の一つと考えられます。
日本語は文字と音が一致しています。例えば、『あ』はいつでも「ア」と読みます。『からあげ』『おかあさん』『あめ』の『あ』はどれも「ア」と読みます。読みやすいですね。『あ』を「エ」や「オ」とは読みません。
ところが、英語では文字と音が一致していないのです。例えば、文字o に注目してください。hotは「ホット」と読むのですから、oは「オ」と読むのかと思いきや、loveは「ロブ」ではなく「ラブ」と読みます。また、movieは「モービィ」でも「マービィ」でもありません。もうめちゃくちゃですね。これでは読みにくくて仕方ないです。
この文字と発音の不一致が英語を難しくさせている原因の1つです。
なぜ文字と発音が一致しないのか?
loveのoはなぜ「ア」と読むのかというと、元々loveは"luve"と書いていたのをu→oに修正したためだと一説には言われています。cut「カット」but「バット」など、英単語でのuは基本的には短い「ア」で読みます。元々はuだったのをoに書き換えたせいで、loveは文字と発音が一致していないのです。
1100年から1400年頃、アルファベットは上のように、縦棒を強調して書かれていました。ところが、アルファベットのl, m, n, u,v, w, など縦棒が主になる文字が連続すると、とても見にくく、文字が判別しにくいという問題が生じてしまいました。また、当時のiは今とは違って、1のように点がない文字だったので、minimunなどのような英単語は文脈で判断するしか無いほど判別が困難でした。
そこで、uがl, m, v, w などと連続する場合は、uの上を繋げてoにして見やすい綴りにしたらしいのです。このせいで、元々uの「ア」という発音だったのに、発音はそのままでoと書くようになってしまいました。結果、上の例のように、love, come, wonderなどの英単語は文字と発音が一致しなくなったということが言われています。om, onが連続するとこの傾向が強いです(company, money, monkey, monthなど)。
これは分かりやすい変化の例です。わけがわからないような複雑な変化もあります。そのせいで、文字と発音が一致せずに英語は読みにくいのです。
日本語で使う音と英語で使う音は微妙に異なっています。例えば、日本語では全て「ア」に聞こえてしまう音でも、英語では3種類の「ア」があります。英語ではcat「キャット」の「ア」、hot「ホット」の「ア(オにも近い)」、cut「カット」の「ア」を区別しています。区別するので、当然その違いで意味が変わります。
また、日本語では使われない音が英語で使われています。例えば、monthのthの音は、日本語では使われません。そのため、日本人がthの音を発音するのはとても苦手なのです。この日本語にはない発音の分け方や種類が英語を難しくさせている原因の1つです。
日本語では文の中で単語の形が変わることはありせん。一方英語では、複数を表すために名詞にsが付いたり、動詞にedがついて過去形を表したりと、形を変化させて意味を変えています。また、日本語は助詞「は、が、に」などを付けて意味を変化させています。一方、英語では文中の位置によって代名詞は形が変わります(I → meなど)。そのため、この変化を覚えないといけないです。
この日本語にはない語形変化が英語を難しくさせている原因の1つです。
日本語にはない英語のルールや特徴が、英語を難しくさせています。これらの違いに慣れないといけないので、日本人にとって英語を学ぶのは大変なのです。