ifを用いて「もし~なら」を表す仮定法の使い分けについてまとめています。また、if と when の使い分けについても紹介します。
If を使うと、「もし~ならば」という仮の話をすることができます。
例:
If I am busy, I will ask for your help.
もし私が忙しければ、あなたに助けをお願いするよ。
If I have that job, I will get a lot of money.
その仕事があれば、大金が手に入る。
これらは現実的な話です(直接法と呼ばれます)。しかし、「(現実ではありえないが)もし~だったなら、…するのに」と空想や願望を表現することもあります。この現実ではありえない空想や願望の表現に使うものが仮定法です。
仮定法過去は、今の状況に関して、現実ではありえない状況を想像したり、ありえない状況の結果を空想するために使われます。
例:
If I were you, I would say sorry to her.
もし私があなただったら、彼女に謝るよ(私はあなたではないが)。
If I had four arms, I would work faster.
4つ腕があれば、もっと早く仕事ができるだろうに(腕は2つしかない)。
If を使う現実的な表現との違いは、内容が現実ではありえないことだということです。そのため、文の逆の意味が現実になります。例えば、私は私という人間であってあなたにはなれません。また、私には2本の腕しかありません。さらに、仮定法過去は、過去形を使って現在の状況に対してありえない状況を想像する時に使われるのが特徴です。日本語でも、仮定の話をする時に、「もし~だったら」と過去形を使いますよね。英語も同様に、そのため、nowという英単語と一緒に使うこともできます。
例:
If I had money now, I would take a train.
もし今お金を持っていたら、電車に乗れるのに(金欠で電車に乗れない)。
仮定法過去完了は、過去に関して、ありえない状況を想像する、ありえない状況の結果を空想するために使われます。「あの時~していたら、…だったのに」のような後悔を表すことがよくあります。
例:
If I had known him 10 years ago, I would have married him.
もし10年前に彼を知っていたら、私は彼と結婚していただろうに(彼のことを知らなかったので、結婚はしなかった)。
If I had not broken up with her, I would have married her.
もし彼女と別れていなかったら、結婚していただろうに(彼女と別れたので、結婚できなかった)。
If を使う現実的な表現との違いは、こちらも内容が現実ではありえないことだということです。そのため、文の逆の意味が現実になります。例えば、10年前に彼を知らなかったので結婚できなかった。また、彼女と別れていたので結婚できなかった、などが読み取れます。さらに、仮定法過去完了は、過去完了形を使って過去の状況に対してありえない状況を想像する時に使われるのが特徴です。そのため、〇〇 years agoなどの過去の時間を表す英単語と一緒に使うことができます。
仮定法過去完了と仮定法過去を同時に使うこともできます。「あの時~だったら、今…だろうに」という後悔を表すことができます。
例:
If I had not broken up with her, I would be married now.
もし彼女と別れなかったら、今結婚していただろうに(彼女と別れたため、今未婚だ)。
if と when どちらを使う?
直接法において、ifの意味は「もし~なら」、whenの意味は「~したとき、~すると」と訳されることが多いです。しかし、これらはかなり意味が似通っています。そのため、どちらを使ったらよいか迷う場面があります。
例:
If it is sunny tomorrow, I will go hiking.
もし明日晴れるなら、ハイキングに行く。
When I finish my homework, I will play video games.
この宿題を終えたら、ゲームで遊ぶ。
例:
When you finish that job, you will get 100,000 yen.
その仕事を終えたら、10万円がもらえる。
If you finish that job, you will get 100,000 yen.
その仕事を終えれば、10万円が手に入る。
if もwhenも「~ならば」という条件を表すことができます。どう使い分けたらよいでしょうか?
if と when の違い
以下の違いがあります。例を挙げて説明します。
if は話し手が確実に起こるとは思っていない条件に対して使用する。
whenは、話し手が確実に起こると思っている条件に対して使用する。
例:
If you finish that job, you will get 100,000 yen.
その仕事を終えれば、10万円が手に入る。
→仕事を終えることができるかもしれないが、できないかもしれないと考えているときの表現
When you finish that job, you will get 100,000 yen.
その仕事を終えたら、10万円がもらえる。
→仕事を終えることができる前提での表現
例:
If he comes back to Japan, I will say to him, “Sorry.”
もし彼が日本へ戻ってきたら、彼にごめんなさいと言います。
→彼が戻ってくるかどうか不明であると考えている表現
When he comes back to the room, I will say to him, “Sorry.”
彼が部屋に戻ってきた時に、彼にごめんなさいと言います。
→彼が戻ってくると考えている表現
例:
If you open the door to possibilities, opportunities will come.
可能性の扉を開けば、チャンスはやってくる。
When you open the door to possibilities, opportunities will come.
可能性の扉を開けば、チャンスはやってくる。
→ifでは相手が行動するかどうかは確信がないが、whenでは相手が行動すると考えている
if とwhenが同じ意味で使える時
一般的な事実を述べる時には、if とwhenは同じ意味で使うことができます。その時には、未来のことを述べているわけではありません。条件のみを述べています。よって、will は使われません。
例:
If you are over 20, you can drink.
When you are over 20, you can drink.
20歳以上ならお酒を飲める。
例:
If it rains, the laundry doesn't dry.
When it is rainy, the laundry doesn't dry.
雨が降れば洗濯物は乾かない。
例:
If you turn on the switch, the door opens.
When you turn on the switch, the door opens.
スイッチを入れれば、ドアは開く。
例:
If you open the door, it opens.
When you open the door, it opens.
扉は開けば、開く。
現実にはあり得ないことを表現するサインとして、仮定法が使われます。今の状況に関しては、仮定法では過去形が使われます。過去に関しては、仮定法では過去完了形が使われます。これは、「もし~だったら」と言う日本語と同じような感覚です。
仮定法でない「もし~なら」を表す時には、通常ifを使います。しかし、if と whenが同じ意味で使うことができる場面もあります。