英語で否定をするにはnotやno以外にも様々な表現を使うことができます。notの正しい使い方を知っていますか?否定表現の使い分けについてまとめています。
否定表現を学ぶのに重要なポイントは語順です。日本語の否定表現「〜ない」は、前に来ていた語を否定します。
例:
男性ではない
好きではない
英語で否定のためによく使われる表現はnotです。日本語と違って、not (〜ではない) は次に来る言葉を否定します。
例::
not a man(男性ではない)
do not like (好きではない)
英語と日本語では仕組みが180度違うのです。
「全て〜というわけではない」という言い方を部分否定といいます。
例:
Not all the students came.
全ての生徒が来たわけではない。(ニュアンス: 大部分の生徒は来た。しかし、来なかった生徒もいた。)
【not + 『100%を表す英単語』】の組み合わせが否定表現になります。語順はnot が先です。『100%を表す英単語』には、all, always, every day, every, really などがあります。「全く〜ない」という完全否定を表すのは別の表現です。次の項で説明します。
この表現は物事が0か100では割り切れないという複雑さを伝える表現です。そしてそんな割り切れない状況がなぜ起きるのかを次に述べるためにも使われます。例えばお金持ちと幸福の関係についての話題の場合、「お金持ちが必ずしも幸福ではない」という複雑さを述べて、「どうして幸福ではないお金持ちがいるのか」という話題を導入するきっかけになるのです。
例:
Rich people are not always happy.
お金持ちは必ずしも幸福とは限らない。(ニュアンス:お金持ちは幸福のように一般的には思えるが、中には幸福ではないお金持ちもいる。)
That does not happen every day.
それはいつも起きるわけではない。(ニュアンス:いつも起きるように思われがちだが、そんなことが起きない日もある。)
Learning apps are available through mobile devices, but not every student has a mobile device.
学習アプリはモバイルデバイスで利用可能だ。しかし、全ての生徒がモバイルデバイスを持っているとは限らない。
逆接のbutやhoweverが部分否定の前に置かれるパターンがしばしば見られます。最後の例文では、生徒の中にはモバイルデバイスのない子もいて不利益があるという問題を述べています。
「全く〜でない」という『数がゼロ』を表す言い方を完全否定といいます。
例:
No one is perfect.
完璧な人は誰もいない。(ニュアンス:完璧な人は0人だ。)
no は『数がゼロ』であることを表す完全否定の表現になります。『数がゼロ』を表す表現には、no, none of , not 〜 at all, not any などがあります。
名詞を完全否定したい場合は、noをつけるのが一番楽です。noはゼロのことです。not 〜 anyも使えますが、noの方が一語で済むので頻繁に使われます。
例:
I have no money.
I do not have any money.
お金が全く無い。(ニュアンス:持っているお金はゼロだ)
noには制限がないのに対して、none of は特定の集団について数がゼロであることを言うために使われます。
例:
None of the students came.
その授業の生徒は全く来なかった。(ニュアンス:来たのは0人だ。)
noをつけられない名詞の場合、noをつけられない形容詞や動詞の場合は、not 〜 at allを使って完全否定をします。
例:
I am not tired at all.
全く疲れていない。(ニュアンス:疲労はゼロ)
I don't speak Chinese at all.
中国語を全く話せない。(ニュアンス:話せる中国語の言葉はゼロ)
It's not your fault at all.
あなたは全く悪くない。(ニュアンス:あなたの落ち度はゼロ)
表せることもあります。しかし、2つの意味で解釈できてしまうのであいまいで危険な表現です。部分否定にも完全否定にも意味を取ることができます。なので、notを後に持ってくるのはお勧めしません。次は良くない例です。
良くない例:
All the students did not come.
部分否定: 全ての生徒が来たわけではない。
完全否定: 生徒は誰も来なかった。
この文ではどちらの意味にも捉えることができてしまいます。ただでさえ曖昧な否定表現が更に曖昧になってしまうので、よくありません。それに英語の否定は『次に来る言葉を否定』するのが原則です。その原則に反している点も良くないです。
否定の表現は曖昧になりがちです。英文の意味を正確に把握するには、部分否定なのか、完全否定なのかを判断しましょう。また、両方の意味に取れる曖昧な否定表現にならないように気をつけましょう。