英語の句読点は、パンクチュエーション(punctuation)と呼ばれます。イタリック(karoshi, zangyoなどの斜体)、クォテーションマーク( “ ” ‘ ’ ) 、コロン(:) セミコロン(;)、などがあります。ここでは、パンクチュエーション(punctuation)の使い方について説明しています。
イタリック(斜体)は、特定の単語を地の文と区別して際立たせるために使われます。主に、以下の2つの場面で使われます。
本や映画のタイトル
本や映画のタイトルは、人名などの固有名詞に近い性質のものです。そのため、そのままの意味で捉えてしまうと誤解を招くことがあります。そこで、イタリック(斜体)を使って、字の文と区別します。
例:
I watched the anime masterpiece, My neighbor Totoro.
アニメの名作「となりのトトロ」を観た。
I read Crime and Punishment when I was in high school.
高校生の時、「罪と罰」を読んだ。
外国語を英語と区別するため
『この言葉は英語ではないよ』ということが読者に分かるように、イタリック(斜体)が使われます。英語を話す人々が知らないであろう言葉をアルファベット表記する際には、イタリック(斜体)すると親切です。例えば、過労死(karoshi)残業(zangyo)、塾(juku)、ゆとり教育(yutori kyoiku)、将棋(shogi)等の単語です。逆に、すでに有名になっていて誰もが知っているような言葉(sushi, ramen, anime, manga等)には、わざわざイタリック(斜体)は使う必要はありません。
例:
It is difficult to explain wabi-sabi in English.
「侘び寂び」を英語で説明するのは難しい。
Italics is used for Japanese words such as satoyama.
イタリックは例えば「里山」などの日本語に使われる。
クォテーションマーク( “ ” ‘ ’ )は日本語での鍵括弧(「」や『』)に相当するものです。どちらもセリフを引用するときに使われます。しかし、クォテーションマークは、日本語での鍵括弧とは使われ方が違う場面もあるので注意です。
クォテーションマーク( “ ” ‘ ’ )の位置
アメリカ式では、クォテーションマーク( “ ” ‘ ’ )の中にピリオド( . ) やカンマ( , )は入れてしまうのが一般的です。イギリス式では意味に応じて、クォテーションマークの外に置くこともあります。自分で使う際には、どちらかを選んで統一するようにしましょう。
例:
He said, “I’m tired.”
彼は言った、「私は疲れた」と。
He said, “I’m tired”.
彼は言った、「私は疲れた」と。(注:イギリス式)
クォテーションマークはいつ使うの?
クォテーションマークはセリフを引用する時以外にも使われます。その時には、『その言葉の意味に注意を払って』というサインになっています。
芸術作品のタイトルを引用するとき
絵画のタイトルや音楽の曲名はクォテーションマーク( “ ” )で囲みます。
例:
I bought a Munk “Scream” Mug on Amazon.
私はムンクの「叫び」のマグカップをアマゾンで買った。
Neon Genesis Evangelion’s opening theme, “Cruel Angel’s Thesis,” is a popular anime song.
新世紀エヴァンゲリオンのオープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」は、人気の高いアニメソングです。
文章の一部ではないという意図
例:
I learned “reckon”.
私は「reckon」を学んだ。(注:reckonはイギリス英語でよく使われる動詞で、「思う」という意味。この場合は、reckonという単語そのものを指している。動詞として使われてはいない。)
比喩などその言葉が特殊な使われ方をする場合
例:
The shredder “ate” the important documents.
シュレッダーが大切な書類を「食べて」しまった。(注:シュレッダーは生き物ではないので、食べることはない。)
皮肉をこめる
例:
He's a “nice guy.”
彼は「いい人」だ。(注:優柔不断でダメな男など、皮肉として言っている。)
ダブルクォテーション( “ ” ) とシングルクォテーション ( ‘ ’ )の使い分け
『「どういう意味?」ってどういうこと?』などのように、引用した内容の中にさらに引用した内容がある場合に、もう一方のクォテーションマークを使います。
例:
He said to me, “What do you mean by ‘What do you mean?’?”
「『どういう意味?』ってどういうこと?」と彼は私に言った。
①セリフを引用する。
②芸術作品のタイトルを囲む。英語は、本・映画、絵画・音楽を区別するが、日本語では区別しない。
③強調したい部分を囲む。英語は、強調するためにクォテーションマーク( “ ” ‘ ’ )を使うことは好まれない。代わりに、DANGERなどのように大文字にするのが一般的。
④「」の中でさらに引用する時には、二重鍵括弧(『』)を使う。
コロン( : )は、具体例や補足を並べるときに使われます。
具体例をリストアップする
such asのような感覚で、具体例を列挙する際にコロン( : )が使われることがあります。単語の列挙の場合には、小文字から始めます。
例:
It is important to practice all four language skills: reading, writing, listening, and speaking.
4つの言語スキル「読む」「書く」「聞く」「話す」をすべて練習することが重要です。
To make cookies, you need the basic ingredients: butter, sugar, eggs, and flour.
クッキーを作るには、バター、砂糖、卵、小麦粉という基本的な材料が必要です。
強く関連する2つの文を結ぶ
前の文の補足説明や、詳しい説明などが続く時には、コロン( : )が使われることがあります。文なので大文字から始めます。
例:
Words spoken from the mouth can't come back: Think before you speak.
口から出た言葉は取り消せない。だから、話す前によく考えること。
Life is all about choosing: Your actions are the result of your choices.
人生とは選択の連続である。あなたの選択の結果があなたの行動を決める。
セミコロン( ; )は、ピリオド( . )とカンマ( , )が合わさったような記号です。ピリオド( . )は文と文とを区切ります。カンマ( , )は単語と単語を区切ります。セミコロン( ; )は、ピリオド( . )よりは弱く、カンマ( , )よりは強い区切りの記号です。つまり、中間のような働きをします。
セミコロン( ; )の使い方
コロン( : )ほど強い結びつきはないけれども、セットにした方が分かりやすかったり、関連していたりする場合にはセミコロン( ; )が使われることがあります。この場合、コロン( : )とは違って、文でも必ず小文字から始めます。
例:
Ken likes cats; Yui does not.
ケンはネコが好き。ユイはネコがきらい。
I had breakfast; however, I am hungry again.
朝ご飯を食べた。しかし、またおなかが空いてきた。
Many people don't like celery; nevertheless, it is very good for health.
セロリは苦手な人が多いが、体にとてもいいのである。
副詞(however, moreover, indeed, on the other hand, otherwise, nevertheless等々)と一緒に使われて、文同士の関連をはっきりと示すことも多いです。
however (しかしながら), moreover (さらに), indeed (確かに), on the other hand (その一方で), otherwise (そうでなければ), nevertheless (それにもかかわらず)
カンマ( , )で区切ると誤解を招く場合
すでにカンマ( , )を含んでいる要素を区切りたい場合には、セミコロン( ; )を使って区切ります。カンマ( , )を含む要素を、カンマ( , )で区切るとどこが区切れなのか分からなくなってしまうからです。
例:
You can order a sandwich with bacon, lettuce, and tomato; ham, bacon, and cheese; or bacon, lettuce, tomato, and grilled cheese.
ベーコン・レタス・トマト、ハム・ベーコン・チーズ、ベーコン、レタス、トマト、グリルドチーズのサンドイッチを注文することができます。
(注:カンマだけを使うと、bacon, lettuce, and tomato, ham, bacon, and cheese, or bacon, lettuce, tomato, and grilled cheese. となり、非常に分かりにくいです。)
I have visited London, Canada; Hanoi, Vietnam; and Kuala Lumpur, Malaysia.
これまで、カナダのロンドン、ベトナムのハノイ、マレーシアのクアラルンプールを訪問しています。
(注:カンマだけを使うと、London, Canada, Hanoi, Vietnam, and Kuala Lumpur, Malaysia.となり、分かりにくいです。)
ハイフン( - )は、!や?の仲間の記号です。知らないと印刷の不鮮明のように見えてしまいますが、そうではありません。ハイフン( - )は単語と単語を繋げて、新しい語を作るときに使われます。そうして作られた語は、モノの説明をする形容詞の働きをします。
ハイフン( - )の使い方
2つ以上の語が一つの意味でまとまった働きをする時に、ハイフン( - )で繋げます。よく使われるフレーズもあれば、自分のオリジナルの言葉を作ることもできます。
例:
16-year-old (16歳の)
user-friendly (使用者にやさしい、使いやすい)
newly-made (新しく作られた)
well-known (よく知られた)
peace-loving (平和を愛している)
English-speaking (英語を話す)
ハイフン( - )の語の作り方
以下のパターンで作られます。ポイントは、ハイフン( - )の語は形容詞の働きの語になることです。そのため、最後の語は形容詞、過去分詞、動詞ing、など形容詞の働きをする語になることが多いです。
[名詞]+[形容詞]のパターン
user-friendly (使用者にやさしい、使いやすい)
16-year-old (16歳の)
[副詞]+[過去分詞]のパターン
newly-made (新しく作られた)
well-known (よく知られた)
[名詞]+[動詞ing]のパターン
peace-loving (平和を愛している)
English-speaking (英語を話す)
ハイフン( - )の語の意味の解釈
それぞれの英単語をそのままの意味で解釈して、繋げてあげれば良いです。
例:
newly (新しく) + made (作られた) → newly-made (新しく作られた)
16 (16) + year (年) + old (年齢の) → 16-year-old (16歳の)
peace (平和) + loving (愛している) → peace-loving (平和を愛している)
well (よく) + known (知られた) → well-known (よく知られた)
user (使用者) + friendly (やさしい) → user-friendly (使用者にやさしい、使いやすい)
English (英語) + speaking (話している) → English-speaking (英語を話している、英語圏の)
ここでは、英語のパンクチュエーション(punctuation)の使われ方を紹介しました。イタリック(karoshi, zangyoなどの斜体)、クォテーションマーク( “ ” ‘ ’ ) 、コロン(:) セミコロン(;)、などの記号があります。意外と学校で学ぶ機会のないルールです。しかし、知っていることは重要です。これらの記号の使われ方が分かっていると、読解の際に助けになったり、適切にライティングができるようになったりします。