今の英語力を最大限に発揮できるようにするための、リーディングの時に注意したいポイントを整理しています。英語を読む時にはどうしても指示代名詞it, this, theyなどが頻繁に出てきます。これらの単語の示す内容が分からないと、意味がさっぱりわからなくなる恐れがあります。少しのコツで指示代名詞は読み解けるようになることができ、ぐっと英語が理解しやすくなります。
英語では同一の表現の繰り返しを避ける傾向があります。代名詞で言い換えたり、別の似たような言葉で言い換えたりします。言い換えに気づくことが正しく内容を読んで理解するのに重要です。以下の例ではa dogをthe dogと言った後、itで言い換えています。
例:
I met a dog. The dog was barking. The dog was scary. It came at me.
私は犬に出会った。その犬は吠えていた。その犬は恐ろしかった。それは私に襲いかかってきた(※a dog = the dog = it)。
代名詞が示す内容
代名詞it, they, this, thatの示す内容を捉えることが重要です。簡単にまとめます。
it
→直前の文の主語か目的語で単数のモノ;稀に、前の文の内容
they, them
→ 直前の文の主語か目的語で複数名詞。人またはモノ
this
→ 前の文の内容;稀に、直前の文の主語か目的語で単数のモノ
代名詞itの基本は、前に出ている単数名詞を示すことです。
例:
She bought a new book. It was very difficult and she gave up reading it.
彼女は新しい本を買った。それはとても難しくて彼女は読むのを諦めてしまった(It = a new book)。
直前の文の主語または目的語を示すことがほとんどです。itは話題の中心になっている、1つのモノを示します。直前の文の主語や目的語で単数のモノを探しましょう。人や複数のモノを示すことはないです。
itが既に出てきた文の内容を示す場合があります。基本的にitは単数名詞を指し示します。単数名詞に加えて文の内容も示すとなると、紛らわしくなってしまいます。そのため、itを使って文の内容を示すことができるのは、itが文の内容を示しているのが明らかな場合だけです。itが単数名詞を示す可能性がゼロである時、つまり、既に出た単数名詞を示すと意味が通じなくなる場合は、itが文の内容を示していることを疑いましょう。
例:
He was a good student. But he quit school in his second year. I was very surprised about it.
彼は優秀な学生だった。でも、彼は2年生で学校を辞めたんだ。私はそれにとても驚きました。
(※itはhe quit schoolを示している)
Wear a mask. You could spread the virus without knowing it.
マスクをしましょう。そうとは知らずに、ウイルスを広げてしまうかもしれないから。
(※ itはyou could spread the virusを示している。itが単数名詞the virusを示すと考えると「ウイルスを知らずに」という意味になって意味が成り立たない)
Some people believe that eating apples will help lose weight. But is it true?
リンゴを食べると痩せると信じている人がいる。しかし、それは本当だろうか?
(※itはeating apples will help lose weight.を示す。itが単数名詞のeating applesやweightを示すと意味が通じなくなる。)
Love is so important in the growth of children. It is because love is everything.
子供の生育において愛は重要である。それはなぜなら愛は全てだからである。
(※ itは前文のlove is so important.を示す。it はloveを示すと「愛はなぜなら愛は全てだからである」と意味が成り立たなくなる。)
thisで前文の内容を示した後に再度同じ内容を示す時には、thisの繰り返しを避けるためにthisの代わりにitを使って文の内容を表すことが多くなります。
to不定詞が後からくる時のitは、前のモノを示してはいません。これは、to不定詞が最初に来て主語が長くなるのを防ぐために置かれる形式主語です。主語が長くなると読みにくいのを防いでいます。
例:
It is important to get up early.
早く起きることは大切だ。(※itは to get up earlyの代わりです。)
I think it important to get up early.
早く起きることは大切だと思う。(※itは to get up earlyの代わりです。)
天気や気候を表現する時のitは、漠然とその場の状況を示していて、前のモノを示すわけではありません。
例:
It will be sunny tomorrow.
明日は晴れると思う。(※天気の状況を言う時のit。)
It is getting colder and colder.
ますます寒くなってきている。(※気候や気温を言う時のit。)
代名詞they, themの役割は、前に出ている複数名詞を示すことです。これだけです。
例:
She bought new books. They were very difficult and she gave up reading them.
彼女は新しい本を買った。それはとても難しくて彼女は読むのを諦めてしまった(they = new books)。
they, themは直前の文の主語または目的語を示すことがほとんどです。theyは話題の中心になっている、複数人または複数のモノを示します。人を示すと思い込んではいけません。人に限らず直前の文の主語や目的語で単数形を探しましょう。人だと意味が通じない場合はモノを示すことを疑いましょう。文の内容を示すことはないです。
動詞の意味からthey, them が人かモノか判断することができます。
以下は主語theyの判断の方法です。
例:
They ate too much.
食べすぎた。
(※モノが食べることはまずない。)
They know how to dance.
ダンスの仕方を知っている。
(※知っているのは人のはず。)
They are delicious.
とても美味しい。
(※美味しいのはモノのはず。)
目的語themの判断も、動詞の意味を考えましょう。
例:
Let’s ask them.
尋ねてみよう。
(※尋ねて答えをくれるのは人のはず)
Let’s cook them.
料理しよう。
(※料理するのだから、モノのはず。人を料理することはまずあり得ない。)
thisは、既に出てきた文の内容を示します。thisは、itと異なり単数の名詞よりも文の内容を示すために頻繁に使われます。リーディングでthisが出てきたら文の内容を示すことをまずは疑いましょう。
例:
Heavy rain happens a lot in the evening. There are some reasons for this.
大雨は夕方によく降る。これにはいくつかの理由がある(※this = 前の文です)。
People make mistakes in speaking. This often happens in English.
人は話すときに間違いを犯す。これは英語ではよくあることだ(※this = 前の文です)。
People are worried to see baby birds on the ground during spring and early summer. But this often happens.
春や夏にかけて鳥のひなを地面で見つけると人々は心配します。しかし、これはよくあることなのです(※this = 前の文です)。
Reading is good for children. This is because people learn new words when they read.
読書は子どもにとって良い。これはなぜなら読む時に新しい単語を学ぶからです(※this = 前の文です)。
複数の文の内容を示す際には、thisの複数形であるtheseが使われます。
例:
When they find a baby animal, people try to pick it up or feed it. But these are wrong.
赤ちゃん動物を見つけると、人々は拾ったり餌をあげようとします。しかしこれらはよくないことです(※these = pick it up と feed itの2つを示している)。
thisは前文
文全体を示すならthisを使うと誤解が少ないです。そのため、this=前文、と考えましょう。
例:
Man is not moral all the hours. This is well-known.
人はいつもモラルがあるとは限らない。これはよく知られている(※this = 前文)。
会話文でのthat
会話文では相手の発言を指し示してthatが頻繁に使われます。
会話例1:
聴衆:Why did you think so?
どうしてそう思ったのでしょうか?
発表者:That’s a good question.
それは良い質問ですね(※that = why did you think so?)。
会話例2:
友人:I don’t have any money.
お金が全然ないよ。
私:That’s too bad.
それは気の毒に(※that = I don't have any money. )。
名詞を示すthis, that
this, thatは指で示せすことができば、いきなり使うことができます。一方、itは既に出ているモノしか示せません。
例1:
Oh, this is mine!
あ、これは私のだ(※thisは目の前にモノがあるのでいきなり使える)。
Let's move on to the next topic. Loot at this picture.
次の話題へ移りましょう。この写真を見て下さい(※thisは写真pictureが目の前にあるのでいきなり使える)。
例2:
I found a pen. It’s yours, right?
ペンを見つけたよ。これは君のでしょ?(※It = a penを示している)
学んだ内容を内容を参考に、代名詞が示す内容を探す練習をしてみましょう。
以下のことに注意してください。
指示代名詞の注意点
itは単数名詞。それで意味が通らない場合は前の文の内容
they, themは複数名詞。人かモノか、は動詞で判断
thisは前の文の内容。それで意味が通らない場合は単数名詞を考慮する
三人称単数のthey、ノンバイナリーのthey, ze などについては話題から外れるためここでは扱いませんでした。