英語でto不定詞もing形も「〜すること」という名詞的表現として使うことができます。to不定詞とing形の正しい使い分けを知っていますか?名詞的用法の使い分けについてまとめています。
to不定詞もing形も「〜すること」という意味を表すことができます。ただし、2語必要なto不定詞よりも1語で済むing形の方が頻繁に使われる傾向にはあります。
例:
My hobby is to watch anime.
My hobby is watching anime.
私の趣味はアニメ鑑賞です。
to不定詞やing形は主語にすることもできます。しかし、この場合もto不定詞を主語にするのは稀で、ing形が好まれます。わざわざ2語必要なto不定詞よりも、1語で済むing形の方が楽だからです。
例:
To study every day is important.
Studying every day is important.
毎日勉強することは重要です。
これは日本の英語教育にてto不定詞とing形の違いを文法的に説明する際に頻繁に用いられる導入的説明です。実際は例外が多くあり完璧なルールでは決してありません。あくまで参考程度にとどめておいて下さい。
to不定詞には『未来へ向かっていくイメージ』の表現です。「これから~する」という動詞と相性が良く一緒に使われます( 例:want to)。「過去に〜した」という意味と結びつく動詞とは相性が悪いので使えません。
ing形はtoとは逆です。『今や過去』に向けた表現です。「過去に~した」ことを表す表現と相性が良く一緒に使われます( 例:finish 〜ing)。 「これから~する」という意味と結びつく動詞とは相性が悪いので使えません。
to不定詞には『未来へ向かっていくイメージ』の表現です。「これから~する」という動詞と相性が良くなります。ただし、この説明では説明しきれない例外も多くあるのであくまで参考程度にとどめておいて下さい。
例:
want to 〜:これから〜したい
plan to 〜:これから〜することを計画する
decide to 〜: これから〜することを決める
expect to〜:これから〜することを期待する
hope to 〜:〜することを望む
ing形はtoとは逆です。『今や過去』に向けた表現です。「過去に~した」ことを表す表現と相性が良いです。ただし、この説明では説明しきれない例外も多くあるのであくまで参考程度にとどめておいて下さい。
例:
finish 〜ing :〜することを終える。(〜することは既に終えた過去になっている)
stop 〜ing :〜することを止める。(〜することは既に終えた過去になっている)
give up 〜ing 〜するのを諦める。(これから新たに~するわけではない)
enjoy 〜ing:〜することを楽しむ。(楽しむには〜した過去が必要)
avoid 〜ing:〜することを避ける。(これから新たに〜するのではない)
admit to 〜ing :〜したことを認める(認めるには〜した過去が必要)
It's my first time 〜ing:〜するのは私は初めて。( 既にしていることを述べている)
to不定詞は未来志向、ing形は過去志向の表現でした。この形の使い分けで、意味の違いを表現できる動詞があります。動詞の中には、to不定詞を使うことで未来の「これから〜する」、ing形を使うことで過去の「〜した」と意味を変えることができるものがあるのです。
例:
remember to 〜:忘れずにこれから〜する
remember 〜ing:〜したことを覚えている
forget to 〜:これから〜するのを忘れる
forget 〜ing :〜したことを忘れる(※ will never forget 〜ing で使うのが自然。通常は I forgot that I bought milk. のようにthat節で使う)
これらを踏まえて次の英文の意味を考えてみて下さい。タップで日本語訳を見ることができます。
Remember to buy milk.
忘れずに牛乳を買ってきてね。
I don't remember seeing him.
私は彼に会ったのを覚えていない。
Don't forget to buy milk.
牛乳を買うのを忘れずにね。
I will never forget meeting him.
私は彼に会ったのを決して忘れない。
to不定詞は未来志向、ing形は過去志向の表現、という説明は、forget、remember、try、regret、などto不定詞か動名詞かで意味の違いが生じる動詞に対しては当てはまります。しかし、実は動詞一般にはあまり当てはまりません。中には、明らかに既に起きたことを示しているのにto不定詞が使われる表現があります。
例:
I’m sorry to hear that.
それを聞いて残念です。
※既に聞いてるのにto不定詞を使っている。
I’m happy to meet you again.
あなたにまた会えて嬉しい。
※既に会えているのに、to不定詞を使っている。
She pretends to be single.
彼女は独身を装っている。
I tend to sleep in class.
授業中に寝てしまうことが多い。
また、明らかにこれから起きることを示しているのに〜ingを使う表現があります。
例:
I suggested waiting.
待つことを提案した。
※これからすることを提案しているのに、〜ingを使っている
I anticipate having a good time on my vacation.
休暇で楽しい時間を過ごすことを期待している。
※これからのことを期待するのに、〜ingを使っている。
I would advise taking a taxi.
タクシーを使うことをお勧めするよ。
※これからのことを期待するのに、〜ingを使っている。adviseは人を目的語に取らない場合には動名詞を使う。
I postponed opening the restaurant.
レストランの開店を延期した。
I imagined marrying.
結婚することを想像した。
I am considering eating out.
外に食べに行くことを考えている。
このように用例を見てみると、様々な動詞一般には当てはまらないことがわかります。adviseは人を目的語に取ればto不定詞ですが、人を目的語に取らない場合には動名詞で使われます。似たような意味の suggest や consider も動名詞を取ります。つまり、動詞の次に何が来るかは、動詞そのものの意味、綴りや音や語源やその他のパターンからの類推など、様々な要因を受けていると思われます。注意してください。