今の英語力を最大限に発揮できるようにするための、リーディングの時に注意したいポイントを整理しています。英語を読む時にはどうしても知らない単語に出会います。しかし、テストだったり時間の制約でいつでも辞書を引けるとは限りません。そのため知らない単語知識を補うためのリーディングでの推測は非常に重要な技術です。推測が適切にできるかどうかでリーディングの力が付くかどうかが分かれます。推測をうまく活用できるようになることで、ぐっと英語が理解しやすくなります。
文脈とは『意味的な制限』のことです。文脈から英単語の意味を推測することができます。例えば、次の写真の?はどんなモノが隠れていますか?
男性は何かを持っていて、頭に近づけています。場所はオフィスです。女性は何かを持っていて、右手にはスプーンを持っていて口に近づけようとしています。
これらの状況が『意味的な制限』になっていて、男性は電話、女性は食べ物を持っていることが推測できます。
別の例です。例えば、次の____にはどんな言葉が入りますか?
意味的な制限
例:
___に行って、お菓子を買った。
「行った」とあるので___には、確実に場所が入ります。また、その後に「お菓子を買った」とあるので、例えば、スーパーやコンビニや駄菓子屋などのお菓子が買える場所が入るはずです。これが『意味的な制限』です。
文の中の別の要素から意味的な制限が発生する例を以下で紹介します。
目的語が意味を制限する
例:
He went to the ______ .
He went to the ______ to study.
後ろにくる表現は具体的な情報を付け加えることが多く、手がかりになります。
動詞が意味を制限する
例:
He was ______ ing TV.
He _____ a gold medal in the 2018 Winter Games.
TVや金メダルという目的語から、動作が大まかに推測できます。
主語が意味を制限する
例:
______ are beautiful in autumn.
一般常識から、主語に当てはまるものは制限されます。
前文の要素から意味的な制限が発生する例を以下で紹介します。
場所から意味が限られる
例:
He went to a stationary shop and _______ 3 pencils and an eraser there.
前文で場所が限られているので、何をしたかが推測できます。
butが来たら逆の内容がくる
例:
He failed many times, but he finally ________.
butの前後は逆の内容が来ます。butを手がかりに意味を推測できます。
alsoが来たら同じ内容がくる
例:
He bought 3 pencils and an eraser.
His friend also ______ 4 pencils and 2 erasers.
alsoがある時は前の文の内容の繰り返しになります。
文全体のテーマが分かっている場合、推測が非常に容易になるためリーディングの助けになります。例を以下で紹介します。
話題を把握する大切さ
リーディングでの単語の推測、文の内容の推測、のさらに上の段階として、全体の内容の推測も重要です。個々の単語がいくつか不明でも、『この説明文章は何を言いたいのか?』が分かっているだけで大きな推測する手がかりになります。次は何のことを行っているでしょうか?
例:
球技の一種です。競技者は____を挟んで向かい合い、____製のボールを____で打ち合って得点を競うスポーツである。
答え(タップで確認して下さい)
卓球についての説明です。
答えを確認した後に、もう一度読んでみましょう。空欄が簡単に埋まりませんか?
例:
球技の一種です。競技者は____を挟んで向かい合い、____製のボールを____で打ち合って得点を競うスポーツである。
何について書かれているのか、という話題を把握することで、個々の内容を推測することができ読みやすくなります。
次の英単語には以下の英単語のような意味が分からないものが含まれていると思います。
lightweight
solid
divided
では、卓球について説明した英語の文章を読んでみましょう。卓球についての説明だと分かれば、lightweight, solid, divided byの意味が推測しやすくなりませんか?
例:
Table tennis, also known as ping-pong, is a sport in which two or four players hit a lightweight ball, also known as the ping-pong ball, back and forth across a table using small solid rackets. The game takes place on a hard table divided by a net.(Wikipediaより引用。一部修正)
解答(タップで確認して下さい)
卓球、ピンポンとも知られている、はスポーツである。2人または4人の選手が軽いボール、又の名をピンポン球、を小さな硬いラケットを使ってテーブルを挟んであちこちに打つ。試合はネットで区切られた硬いテーブルの上で行われる。(筆者訳)
lightweight (軽い), solid(硬い), divided (分かれた)
意味を推測することができましたか?確実な情報を掴み、『この説明文章は何を言いたいのか?』を常に自分自身に問いかけながら推測して読むことで単語の推測の成功率を高めることができます。
学んだ内容を内容を参考に、文脈から推測する練習をしてみましょう。
綴りは知らなくても発音してみるとカタカナ語として知っていることがあります。特にゲームやアニメが好きな人は用語や技名などがヒントになるかもしれません。
例:
list 「リスト」(一覧表)
miracle 「ミラクル」(奇跡)
tame 「テイム」(飼い慣らす)
leaf 「リーフ」(葉っぱ)
tale 「テイル」(物語)
shock 「ショック」(ショック)
canon 「キャノン」(キャノン砲)
blade 「ブレード」(刃物)
heal 「ヒール」(癒やす)
absorb 「アブソーブ」(吸収する)
語尾よって大まかな意味が分かることがあります。重要なものを紹介します。
名詞だと分かる語尾
ist (〜な人)
例:scientist (科学者), pianist (ピアニスト), economist (経済学者)
er (〜する人、〜するモノ)
例:player (選手), teacher (教師),
tion (※動詞につけて名詞化する)
例:creation (作品), celebration (祝い)
ment (※動詞につけて名詞化する)
例:agreement (同意), achievement (達成)
ness (※形容詞につけて名詞化する)
例:happiness (幸せ), weakness (弱点、弱さ)
形容詞だと分かる語尾
able (〜できる)
例:able (〜できる), available (利用できる), reliable (信頼できる)
tional (〜な)
例:traditional (伝統的な), optional (選択が自由の), emotional (感情の)
ful (〜な、〜しい)
例:beautiful (美しい), colorful (色鮮やかな)
名詞+ ly (〜な、〜の)
例:friendly (親切な), monthly (月々の),
動詞だと分かる語尾
名詞+ize (〜する)
例:realize (実現する), organize (組織化する), recognize (認識する), criticize (批判する)
副詞だと分かる語尾
形容詞+ly (〜は、〜に)
例:usually (いつもは), finally (最終的に)
知っている二つの要素に分解して意味がわかるものもあります。
例:
birthdate (birth誕生+date日付)
countryside (country国+side傍)
well-known (wellよく+known知られた)
toothbrush (tooth歯+brushブラシ)
bedtime (bedベッド+time時間)
語の初めにくっ付いて意味を加える要素を接頭語といいます。形として意味を持つので、意味を推測するヒントになります。
否定的な意味を付加する接頭語
dis
例:disappear (dis反+appear現れる), disability (dis反+ability能力)
un
例:unknown (un〜でない+known知られている), unable (un〜でない+able能力がある), unequal (un〜でない+equal平等な)
in (※後ろに来る文字によってim, il, irなどに変化することもある)
例:imperfect (im〜でない+perfect完璧な), inequality (in〜でない+equality平等)
mis
例:misunderstand (mis誤る+understand理解する), misuse (mis誤る+use使用する)
学んだ内容を内容を参考に、単語の形から推測する練習をしてみましょう。
確実なのは単語の意味をしっかりと覚えることです。推測は完璧な方法ではありません。以下のことに注意してください。
推測の注意点
知識がないと推測はできない。
わからない英単語が多すぎると推測はできない。
推測でなんとかできるのは知らない単語のうち多くても20%くらいでしかない。
推測は完璧な方法ではないので間違えることもある。