非常に移動速度が速い。技1つ1つの威力は低いが、
優秀な飛び道具、強力な判定、高火力を持ち合わせる強キャラ。
キャラクターのポテンシャルは高いが、
見た目通りテクニカルなキャラで高い操作力を要求される。
火力は理論上は高いものの、
実戦でも安定して高火力を出すためには、高い確認力や判断力、操作力が求められる。
立ち回りは強いが繊細な判断が必要で、しかも復帰が弱くワンミスで普通に死んでしまうので、
ワンチャンスで火力を取り切る力がないとダメージレースで普通に負けたりする。
ブラスターは着地で後隙をキャンセルでき、
着地際のブラスターで地上の相手をけん制しつつ
固めに行ったり投げに行ったり様子見をするという地上戦術がかなり強力。
だがブラスターへの対処法もそれなりにあり、ブラスターだけで地上戦で勝てるわけではない。
実際に使うと地上戦が非常に不安定な感覚になるが、地上戦のパーツ自体は揃っており、
ブラスターによるダッシュ抑止や固め、
ステップ投げによる素早い差し込み、強判定の空中前や空中下による見えない飛び込み、
迎撃技も上強や空中上、空中前や空中後ろ、ブラスターなどの強力で豊富な対空技が揃っており、
おまけにリフレクターのおかげで飛び道具持ちにも地上で正面から戦える。
弱パンの性能が優秀なことも地味に強い。
投げを一発当てるだけでバーストを狙えるくらいのリターン面での期待値はあるものの、
場外に出して強力な復帰阻止や崖つかみに対するプレッシャーで殺しきる、
ダウンさせて難しい確認と操作の必要な受身狩りからのコンボで殺しきるといったリターンの取り方が多く、
安定してリターンを取るためにはかなりの熟練度が必要になる。
実戦でそこまでの火力を出すことは、非現実的というレベルではないものの、
筆者はできている人を見たことがないというくらいには難しい。
立ち回りや火力面でやることが色々ととにかく繊細かつ高難易度で、
急降下をしない飛び込みのドリルを地上戦でガードさせることに成功したとしても差し引き1Fから3Fほどフレーム有利が取れるだけで何かが確定するわけでもなくそこからリターンを取るためには難しい駆け引きや操作が要求されたり、そもそもドリルが普通にヒットしてもそこから普通にコンボするのが地味に難しかったり、
空中後や空中前などの対空技も当て方を間違うと当てて状況不利になったりする。
理論的には相当な強キャラなのだが、
繊細すぎて中途半端な熟練度だとあまり勝てない。
また難易度の高すぎるテクニックがいくつか存在し、
どこで妥協するかということに悩まされる。
個別で語った方が良いと思う技について
テクニックとしては2連ブラスターが有名で、
小ジャンプから着地までにブラスターを2発出せるというもの。
ちなみに猶予0F目押しを2回決めれば斜めC小ジャンプからでも2連ブラスターは出せる。
2連ブラスターは対空としては非常に強いが、
地上の相手に対してはあまり意味がないどころか垂直小ジャンプをすることにより隙を晒すため、
対地上ではより高度が低く横方向への位置調節も可能な、斜め小ジャンプの低空ブラスターが採用されることが多い。
▲最低空ブラスター。成功すると、着地と同時にブラスターが出る。
着地と同時に出るブラスターは俗に最低空ブラスターと呼ばれ、
カービィの立ち状態やピカチュウのダッシュ、ファルコンのステップを止められる。
非常に強力だが、ブラスターの高さが1Fでもズレるだけで当たらなくなったりする。
▲ブラスターの入力が1Fでもずれると、ステップですり抜けられてしまう。
姿勢の低いキャラ相手の地上戦では、
最低空ブラスターでなければ機能しない場面があるというくらいブラスターの高さは重要だが、
そこで必ず、猶予0Fの目押しをどこまで確実に決められるかという難易度の問題に直面する。
▲前斜めC小ジャンプなら、このモーションがブラスターの0F目だと最低空。
▲バック斜めC小ジャンプなら、このモーションがブラスターの0F目だと最低空。
ブラスターは強力だが、この目押しができるかどうか、
どれくらいの確率で成功するものと考えるかで立ち回りが大きく変わってくる。
また目押しに成功しても強い飛び道具を一発撃てるというだけなので、
目押しに成功したら勝ちというわけでもなんでもない。
ワンミスで死ぬキャラなので、成功率の低さを試行回数でカバーすることも難しい。
差し込み、固め、着地狩り、対空、コンボなど実に多くの場面で役に立つ技ではあるが、
操作難易度が高すぎて実戦的にどこまで機能するかは難しい問題。
ブラスターはフォックスの理論的な強さが出る技ではあるが、
実戦的にはその運用の難しさからくる脆さの方が目立つという印象。
驚かれるかもしれないが、この技が額面通りに飛び道具の反射技として使われることはあまりない。
発生1Fの着地で後隙をキャンセルできる全身無敵の攻撃技として扱われることが圧倒的に多い。
ジャンプから最速でリフレクターを出してガードさせると、+8Fの有利が取れる。
(以下、即座に着地でキャンセル可能なリフレクターの出し方を絶リフと表記する。)
ジャンプから最速でリフレクターを出すまでに必要なフレームは4Fなので、
連続で猶予0F目押しを決め続けることでシールドブレイクまで持っていけることになるが、
目押しが1F遅れるだけで-3Fのフレーム不利を背負ってしまう。
とても現実的ではない難易度のテクニックに思えるが、
フォックスはリフで固める以外にシールドブレイクをする手段がなく、
投げからリターンを取ることにも前述のような難しさがあるため、
リフ固めは単なるネタや魅せプレイや大道芸というわけではなく、
実戦的に妥協するべきかどうかの大きな考えどころになってしまう。
また絶リフは立ち回りやコンボなど様々な場面で有用すぎるため、
難易度が高いから使わないと割り切れない部分もある。
ダッシュから絶リフで急ブレーキをすることで、確認で受身狩りが間に合う範囲を広げたり、
絶リフで暴れて相手をダウンさせて受身狩りをしたり、
絶リフ→ダッシュ台降りリフレクターという一部キャラ限定の即死コンボができたり、
ジャンプの上昇をリフでキャンセルすることで、左右台や中央台への着地を素早く行ったり、崖離しジャンプから地上に絶リフで素早く着地して意表を突くなど、
リフレクターをうまく使えるだけで可能な行動がかなり増えてくる。
キャラクターに行動のバリエーションが多いのは良いことだが、
どれもこれも操作難易度が高すぎて中途半端な完成度になりがち。
リーチの長い無敵の尻尾を下段に振る技。
この技は見た目以上に下方向にもリーチが伸びており、
下から頭を出さずに復帰が可能なキャラクターでも、
タイミングよく下強を振ることができれば必ず崖つかまりを阻止できる。
かなり難しいがサムスのスクリューアタック崖掴みにも引っ掛けることができる。
上から復帰してくる相手に対する優秀な対空技も持っているため、
ちょっと場外に出すだけで復帰阻止で倒しきれるという阻止の強さ、
ひいては火力の高さがある。
復帰阻止できちんと倒しきるというのはそれなりに難しいが、
こういった技の強さを生かして総合的な火力を出せないと、なかなか勝てない。
非常に判定が強いが、威力は大したことがない。
対空技として非常に優秀なのだが、後隙もそれなりにあるので、
低%の相手に当て方を間違えると逆にフォックスが不利になる。
フォックスの立ち回りの難しさの1つとして、この対空性能の微妙さがある。
当てれば勝ちではない場面が多く、技は強いのに意外と対空で困ることがある。
対空性能自体は、対カービィで横から空中後Aで判定勝負を挑めるくらいには強く、
繊細に動かすことができれば対空のポテンシャル自体は高いものの
少し間違えると死んでしまうところが実にフォックスという感じ。
空中後Aと空中前Aは低%の相手に当てた後の状況が微妙だったが、
逆に投げは低%の相手でなければ地上にダウンさせることができず、
相手の蓄積%でリターン面が大きく変わってくる。
立ち回りでつかみを使わないわけにはいかず、
つかんだ場面に応じて色々なパターンでリターンを出すスキルが求められる。
対フォックスの考え方として、
フォックスにガードを固められたときは、
わざと投げられることで被害少なめで勘弁してもらうという考え方もあったりするほどで、
フォックスは投げから大きなリターンを取っていくことは難しい。
ダウン追い打ち、復帰阻止、崖を掴ませた後の状況などは強いので、
総合的なアレコレでリターンを取れるかどうかでストックの削れ方が大きく違ってくる。
投げ自体にはそれなりの期待値はあるものの、コンボができるわけではないので、
状況有利を生かせないと本当にただ投げで%を蓄積しただけで終わってしまう。
ちなみにフォックスのつかみは異常にぬるりが起きやすく、
ステップ投げで少しでも相手と重なってしまうと大体スカる。
ぬるりによる投げスカは、他のキャラで起きる場合は大体事故だが、
フォックスだけは事故では済まされない頻度で起こってしまうので、
目押しでステップ投げの距離も調節できることが望ましいと思う。
フォックスが単純に素早く判定が強い技を持っていてキャラパワーが高いので、
強キャラ以外には大体理論上では圧倒的な有利を取れる。
ただ地上の相手にブラスターを機能させるのが難しいことは前述の通りで、
理論上では相性有利が取れていたとしても、立ち回りには繊細さが求められ、あまり楽には勝てない。
ピカチュウは立ち回りでブラスターの通りが悪く、
復帰が強すぎてほとんど阻止ができないため火力も取りにくく、
立ち回りもリターン差もかなり厳しい。
投げでダウンさせてそのままダウン追い打ちのコンボで倒しきったり、
ドリル差し込みを通してそのまま即死コンボを決めるなど、
かなり難しいことをしないとストックを削れず勝ちきれない。
カービィは立ち回りでは有利を取れるかもしれないが、
ほんの少しでもミスるとフォックス側が死ぬので実戦的にはカービィ側が勝つイメージ。
カービィ側の視点では、
フォックスの空中後ろ対空に勝てる技がなく、
フォックスが素早すぎるせいで地上戦もそれなりに厳しい。
ちなみにフォックス有利派とカービィ有利派で派閥があり、筆者はフォックス有利派。
ファルコンは最低空ブラスターをミスってブラスターをステップで潜り抜けられると
一気に密着状況になってしまい、大体フォックス側が負けてしまう。
どちらも一発先に触ったら勝ちといった感じになるが、
フォックス側の方が火力を出す際に求められる熟練度が高い。
どちらが理論上で立ち回り有利なのかは筆者にはまったく分かりませんが、
実戦的にはファルコン側が勝つイメージ。
ポテンシャルは高いが、全体的に要求される技術レベルが高すぎる。
64スマブラにはもう少し簡単で強いキャラクターがいるので、
勝つために強キャラを選ぶのであればそちらを推奨する。
スピードは速いがパワー不足で、ファルコンと違ってキャラパワーの押し付けでは勝てない。
迎撃の強さや素早さを利用したライン攻め能力、ブラスターでのプレッシャーなど、
あらゆる要素を使って有利状況を作り続けるという繊細な立ち回りができないと、
低空ブラスターからの差し込みが通ることに祈るだけの火力が低い劣化ファルコンみたいな有様になる。
どちらかというと作業プレイで勝ちたい人向けのキャラではあるが、
ブラスターでの地上戦は強いが詰ませられるほど強いというわけではなく、
対空の不安定さもあり、
理詰めだけではどうしても勝ちきれないというキャラ性能自体の難しさもある。
意外と器用貧乏なキャラで、
立ち回りもコンボも固めも、なんでもできるけど完璧にはできない。
しかも復帰だけはできないので、その甘さをあまり許してはもらえない。
素早い操作、テクニカルな操作でアドレナリンを出しながら戦いたいけど
ネスやヨッシーはちょっと不安定すぎるからもう少し理詰めで安定的に勝ちたい、
という方には向いているかもしれない。
操作量が多く高い技術が必要なので、やりこみ甲斐のある面白いキャラだとは思うし、
強い割には難しいせいで使い手が少ないので注目を集めやすいキャラではあるけれども、
やはり難しすぎるので安易にはオススメできないキャラ。
トレモでのコンボは無限大なのでトレモ勢にはかなりオススメというくらい。
蛇足だが、
最低空ブラスター、絶リフはどちらも猶予0F目押しで、
これは操作難易度的にはギリギリで再現性があるというくらいのレベル。
格闘ゲームでは猶予0F目押しが必要なテクニックはそれなりにあるため、
猶予0F目押しを実戦レベルで活用しているプレイヤー自体は世の中にたくさん存在しているはずである。
フォックスの場合は、猶予0F目押しが求められる場面が多すぎること、
まったく簡易入力のない完全な根性入力の猶予0F目押しであることなどが、
結局のところ実戦ではあまり積極的には高難易度テクニックが使われない理由なのだとは思うが、
難しいけれど無理ではないという絶妙な高難易度に設定されてはいるので、
挑戦する価値自体はあると思う。できたら強いのは間違いないので。