ぺちを使った動きが非常に特徴的。
実戦的な特徴は、
ぺちと組み合わせた空中後ろと空中上の強さと、
その長所を打ち消すほどの事故要素が挙げられる。
ネスは復帰が弱い。
弱いというべきか遅いというべきか、
復帰にかかる時間が長すぎるため、
ちょっと場外に出されただけで
死亡率の高い復帰阻止の場面になってしまう。
流石に場外に出されたら必ず死ぬというわけでもないが、
0%のネスでも、1回掴まれて場外に出されるだけで死ぬのは決して珍しくない。
運よく崖に掴まるところまで行けても、
崖から地上に復帰する選択肢も弱く、
他のキャラでは問題にならないような復帰の場面でも
恐ろしいリスクを背負いながら必死に復帰をしなければならない。
少し場外に出されるだけで死んでしまうという1ストックの軽さ、
そしてネス自体の操作や判断難易度の高さが相まって、
間違いなく64スマブラで最も事故りやすいキャラになってしまっており、
あらゆる場面でその命の儚さに足を引っ張られる。
ネスの空中後ろはリーチと判定がそこそこ強い。
ぺちを使えば低空で出せること、そしてステップが優秀なため、
その低空空中後ろをほとんどのキャラが咎められない。
また、ぺちを使った低空空中後ろと、
ぺちを使って滑って差し込んでくる空中後ろの2択はほぼ確認不可能で、
地上の相手に対して、
読み合いを兼ねた差し合いやラインの押し引きが可能である。
0%の相手に空中後ろヒットからコンボを繋げるのは難しいが、
立ち回りで圧倒的に勝てると考えるのであれば問題無い。
ただし、1回差し合いで負けるだけで死ぬと考えるのであれば、
1ヒットから確実に1ストックを奪えないのは致命的であり、
人間の操作力で、ネスでそれを実現するのは本当に難しい。
コンボムービーでは即死コンボを連発するキャラだが、
実戦的には、火力を出せる場面自体が限られる。
このキャラが火力を取るためには、
ぺちやジャンプの降り際の空中攻撃、または台に着地する動きの中での空中上対空などを当てて、着地際の攻撃を当ててコンボを繋げるか、
ダウンさせてそこそこ優秀な受身狩りに持っていくしかない。
中央台の上など、高い位置にいる相手に届く対空技は空中上しかなく、
高い位置の相手に空中上を当ててもコンボがない。
そしてネスは強い対空を持っているが、
立ち回りで上を取られるのは結構苦手なキャラと言える。
ネスの対空は、
上に対しては空中上とトス、斜めや横に対しては空中後ろが使えるが、
空中上は判定の持続が短いため、判定勝負のタイミングを狙って
目押し気味に対空技を出さないと成立しないことが多い。
ぺち空中上対空は、強判定を後隙少なく出せて強そうに見えるが、
迎撃の場面で空中上がスカった時点で、
次の迎撃行動が間に合わずに死んでしまったりする。
トスは持続が長いが、先出ししてしまうと普通に後隙を狩られてしまう。
空中後ろは真上方向の対空では機能しない。
結局のところ、
相手に上を取られた場面のとき、
ネス側としては
差し込みのリターンが低すぎるのに
失敗したときのリスクが高すぎる状況であり、
相手側としては
差し込みがハイリスクハイリターンではあるが、
高い位置で攻撃を喰らっても良いという考えで動けば
差し込むぞという姿勢だけ見せてプレッシャーをかけつつ
適当に動きながらネスの様子を見るという行動がかなり強い。
中央台を取られた状況では、
差し込まれた時には必ず迎撃を成功させ、
通しにくくリターンも薄い差し込みを通したり
左右台を経由したりしながら良い状況を作る技術が求められる。
当然ながら失敗したらネスは死んでしまうし、
カービィやプリンなど飛行を持っている相手に対しては
ネスが左右台に居ても上を取られ続けて非常に辛い状況が続いたりする。
正直言って対空の難しさだけでキャラ変更を考えるレベルである。
高い位置の相手に火力を取りにくいのは先述の通りだが、
高火力が取れる場面が来たとしても、
そこで要求されるコンボの精度も著しく高い。
操作力が高ければ完走できるという類のコンボではなく、
ずらしを見てからコンボルートを変える判断力、
受身を確認して狩る確認速度も求められる。
それだけにネスのコンボは非常に面白いが、やはり難易度は無駄に異常に高い。
相手の攻撃をガードして滑り落ちた時、
ぺちで慣性をリセットして即座に反撃を入れられる。
そのためネスが台の端に立っている状況で
相手の攻撃をガードで受け止めてカウンターという行動がめちゃ強い。
強いのだが、このゲームは下方向にドリル技を持っているキャラが多すぎるので
イマイチその強みを生かしきれないという面もあるが…
だがガードキャンセルの強さはネスの大きな特徴の1つで、
ガードキャンセルからのぺちヘッドなどがヒットした場合は
大体は即死コンボが可能なくらいヒット状況が良いはずである。
空中上や空中後ろと同じく立ち回りの軸になる行動なので
上手にガードを使って相手の差し込みをけん制したいところ。
超低空でぺち攻撃を出すか、
ジャンプ後に最速で後ろ方向に空中ジャンプを入れると
ネスがその場で1Fで着地する。
ネスはステップは素早いがダッシュは遅いので、
ステップ後にウェーブダッシュを入れて
もう一度ステップ投げで奇襲を狙ったり、
ステップから立ち状態を作ったり、
受身狩りの距離調節に使ったりなど
「使おうと思えば」使える場面は多岐に渡る。
ウェーブダッシュとはちょっと違うかもしれないが、
地上からジャンプで左右台に移動するときや
左右台からジャンプで中央台に移動するとき、
崖掴みからの崖離し空中ジャンプで地上に移動するときなど、
ジャンプの軌道をキャンセルして即座に台に1F乗りすることで
機敏に台回りを動き回ったりするのにも使える。
ステップから即座に立ち状態になれる動きと考えれば、
別にここが使いどころとか考えるまでもなく、
自然な動きの中で出るくらい汎用性の高い動きである。
ただウェーブダッシュ自体の難易度が高いので
1事故で即死するネスというキャラを考えた時に
ウェーブダッシュを好んで動きに取り入れるべきかというのは難しいところ。
ただ、あえてネスというキャラを選ぶのであれば
果敢にウェーブダッシュを試みて人間辞めにいくというのもアリかなといった感じ。
ネスはサイマグネット(下B)を出している時に崖を掴める。
これにより、ネスは崖から喰らい判定を地上にはみ出さないようにして
崖を掴めるという数少ないキャラである。
ただしサイマグネットを出すのが早すぎて崖を掴み損ねると死んでしまう。
しかも実戦では、
遅すぎると相手の復帰阻止に引っ掛かってしまうというギリギリな状況が多く、
余裕を持ってサイマグネットといった悠長なことを言っている暇もなく、
ここでも地味な精度が要求されたりする。
崖から頭をはみ出さないように掴めるとはいえ、
ネスが空中ジャンプを出している状態で
相手の飛び込みの阻止に対して迎撃行動をしてしまえば
結局そのまま落ちていって次の復帰阻止をされるだけになってしまうので、
サムスのように復帰の択が増えるという意味ではなく、
相手の阻止の難易度を上げたり、阻止の時間が無い時に崖を掴めるという程度のノリ。
地上付近で戦いたいキャラだが、
実戦的にはほとんどのキャラが
まともにネスと地上戦をしてくれないというジレンマがある。
上を取られた状況で
迎撃や対空をしても割が合わない組み合わせで、
かつネスが上を取れない組み合わせは非常に苦手。
つまりプリンとカービィが辛い。
カービィはまだヒット時のワンチャン力で持っていけることもあるが、
プリンは上手に受身狩りに持っていってあげないと、そのワンチャンすら来ない。
常に対空をさせられ続けるが、対空の通り自体も悪く、
対空が通ったとしてもリターンに繋がらないという地獄のような相性となる。
ファルコンはネスと地上で殴り合いを挑んでくることが多い。
残念ながらネスの方が分が悪いが、飛んでも厳しいので、
殴り合うかガーキャンを狙い続けるしかない。
ネスはぺち空中後ろからの引きステップが割かし安全というのを武器に
地上でプレッシャーをかけていきたいキャラなのだが、
引きステップに追い付けるヨッシーや
空中後ろを素で掴めるドンキーあたりは
ぺち空中後ろ引きステップ自体が安定行動にならなかったりする。
ただネスは上を取った状況でも
空中下と台降り空中後ろ、ガードキャンセルや
空中ジャンプの軌道を生かした様子見行動などを軸に立ち回れるので、
地上が安定しないからといって不利ということにはならない。
筆者のレベルでは相手キャラ毎の最善の立ち回り方や
全組み合わせの相性などは分からないが、
事故りやすいだけでキャラ性能自体は悪くないので
可能性は多分にあるキャラだと思われる。
そのキャラ性能から、
有利不利に関わらず立ち回りは常に苦しく、
常に高い判断力と操作力を求められるという難しすぎるキャラ。
いちいち難しく、
完璧に操作ができたとしたら最強かと言われるとそうでもないと思う。
ただその分だけ面白いキャラではあると思う。
立ち回りは強いが
処理で勝ちきれるキャラかというとそうでもなく、
どこかで差し込みを通すなどの当て勘も求められると思う。
総じて、キャラのポテンシャルは高い割に勝ちにくいキャラという印象。
テクニカルなキャラが好きな人、
面白いキャラが好きな人、
自分の限界に挑戦したい人、
スリリングな戦いに興じたい人、
マゾ気質な方などにオススメ。